本拠地
僕の召喚した雲外鏡。
彼の魔物が持つ性質は超距離転移だ。
雲外鏡は使用者の見ているところに転移させるという能力を持っているのだ。
一見すると、えげつない性能だが、この雲外鏡は文字通り、自分が見ているところまでのところにまでしか飛べないのだ。
一回鏡に入るという動作をしてまで視界に入っていてるところまでにしか転移出来ないというのは別に強くない。
というわけで、あまり役に立たない魔物として肥やしになっていた雲外鏡だが、神の目で他人の記憶まで覗き見れるようになった今なら別である。
記憶で見たところに雲外鏡で飛べるのだ。一気に最強クラスに便利な魔物へとこいつは成り上がっていた。
「到着っと」
そんな雲外鏡を活用し、僕はあの男の記憶から覗き見た人理教の本拠地へと降り立っていた。
「……」
人理教の本拠地。
そこは常に何かしらの機械音が鳴り響いてような地下にある巨大な施設だった。
よくもこんなのものを地下に作ったな、と感心出来るような場所だ。
「落下中かぁ」
そんな本拠地の中を僕は今、落下しているような最中だった。
自分が雲外鏡を通ってやってきたのは吹き抜けになっている人理教の本拠地の中心部……の空中だったのだ。
『』
そんな中、空気を切り裂いて、地面に向かって落下している僕の存在に気がつき、が集まって来てけたたましい警報音を鳴らし始めてくる。
「ずいぶんとお早いお気づきのようで」
そんなドローンの方に視線を送る僕は感心めいた声をあげながら、魔物を召喚してドローンを崩壊させる。
「黄龍」
その後、僕は黄龍を召喚。
その背中へと着地する。
「何処まで出せるかねぇ」
今、僕はヨーロッパの解放の為に魔物の多くを出払っているような状況にある。
フルマックスの自分だったら魔物をすべて出すだけでここを制圧できるだろうけど……それだけの魔物はいない。自分の戦闘に欲しい十数体しかいないのだ。
これで制圧は結構……。
「いや、普通にこうすればいいか」
ほんの少しばかり悩んだ末、僕は両手を重ね合わせる。
「具現領域」
そして、具現領域を発動。
いつも使っているように服などの自分が指定した物体。
今回ではここにあるすべてを機械を含めて僕は具現領域を発動させ、海水で沈めてやった。
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