第2話 始まりは強い腹痛

 とある日曜日の夕方、私はおへその辺りを押されるような痛みを感じうずくまっていた。


 時間は四時ごろ。

 いつもだったら夫がジムに行く時間で着替えの準備を始めるために動き出す。


 けれど夫は準備をしないで布団で軽くうずくまっていた私の傍にいた。


「別にいいよ。早く準備して行きなよ」


 私が必要以上に布団に横になったり、痛みを訴える事をたるんでいるからだと夫はあまり快く思わない。

 そんな夫にに傍にいられると思い切り痛がれないから辛いと私は思った。

 だから早く夫にジムに行ってほしいと考えていた。


 ところが夫は私の腹痛を心配して動かない。


 何でよ、いつもと何が違うっていうの?


 と私自身が思ってしまうぐらい、私は「痛い」とか「体調が悪い」という事が多い。

 だからその時も私は痛いのは痛いけれど少しして楽な体勢を続けていたら治るだろうと思っていた。


『だから早くジム行っていいんだよ。一人になった方が好きに痛がれるしね』と夫に直接言わないものの、心配してくれている夫に対して邪険にしている気持ちがあったのだ。



 とうとうジムには間に合わない時間なった。

 それでも私の腹痛は治まるどころか痛みを増していた。


 少し吐き気もする。

 そう思いトイレに行くが思ったようには吐けない。


 トイレから出ると、あまりの痛みの強さでとうとう

 そこから動けなくなってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る