第15話 手術中

手術台につくと、いやに事務的にテキパキとした看護師さんが

色々と誘導してくれる。

どうやら麻酔の先生の補助らしい。


今回の手術の麻酔は背骨の辺りから注射する下半身麻酔。

それがまた痛いんだろうなぁと思いつつ

それが終れば、もう術後まで痛みは無くなるんだと麻酔を待っていた。


麻酔が打たれると、足や下腹部辺りに痛みや感覚が残っているかの

チェックを受ける。


まだ麻酔が効いてないのに手術が始まったら怖いと

少しでも感覚が分かったら、感覚があることを伝えなきゃと思ったが

結構すんなり感覚は無くなっていった。


感覚は無いが意識はバリバリにあるので

多少は先生たちの声が聞こえる。


怖いので寝てしまいたいと思ったが

緊張しているのか寝られない。


手術前に先生から万が一、子宮を傷つけたり突き破って(怖い)他の臓器を傷つけたりしたら

途中から全身麻酔に切り替えて子宮を摘出することもあります。


なんて恐ろしい事も言われていたので

どうしよう……全身麻酔に切り替わったら子宮も摘出されちゃう

大丈夫かな?と先生たちの動向に意識をかたむけて余計に寝られなかったのだ。


どうなるの?どうなるの?大丈夫なの?と不安に思っていたが

10分も経ったか経たないかぐらいの時間で


「はい、終りましたよ」


と言う声がした。


へっ?もう終わり?

ということは全身麻酔に切り替える必要のある事態は起こらなかったということよね。


と一安心したのだった。

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