第34話 全身麻酔手術開始
全身麻酔だと、すぐ意識失って目が覚めたら病室
という話をよく聞く。
けれど私は違った。
まず、麻酔が中々始まらない。
術後の痛み緩和のため、背中に痛み止めを注入する管を入れるんだけど
これを入れるのに時間がかかる上に、ビクン!と反応してしまったほど痛い事もあった。
麻酔科の先生によると、神経に近い場所を通しているのでそうなったんですよ、との事。
神経?って事は今のヤバかったのではないだろうか。
手術台に乗ったものの、一向に麻酔が聞いて意識が飛ぶという状態にならない。
最初は然程、緊張してなかったのに変にドキドキしてくる。
背中の管が入って、やっと麻酔が始まるようだった。
そう、それでね今回の私の全身麻酔はテレビなどで見かけるマスクタイプではなく点滴タイプだったのだ。
「麻酔をこの点滴からいれましたからね、もう聞いてきますからね」
と言われ、その後は確かに意識が飛んだ......と思ったが
あれ?さっきと同じ手術台にいるままだった。
「はい、手術終わりましたからね」
と麻酔科の先生に声をかけられる。
はい?という事は意識が飛んだかもと思ったのは正しかったのか。
そういえば、いつの間にやら口には管が入れられていた。
それを今から抜くという。
ウゲウゲ、地味に苦しい。まさか麻酔から覚まされて、まだこんなに苦しい事に耐えなきゃならないなんて思わなかった。
管を抜く次は痰取りの掃除機チューブを入れられる。
これも辛い。
まさか手術室で目覚めさせられた上に、こんな苦しい事か待っていようとは「聞いてないよ」状態だった。
そしてやっと手術は終わったという事で術後に一泊する予定になっている、HCU(高度治療室)に運ばれた。
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