第35話 HCU
HCU(高度治療室)にベッドに乗ったま運ばれた私のところに
しばらくして、夫と父がきた。
全身麻酔の影響か、声がガラガラでまともに出ない。
夫はひたすらに頭をなでたり額に手を置いたりしながら
無理しなくていいと言う。
ところで私の手術って成功したの?まぁ、今こうして
生きているわけだから失敗じゃないだろうけど
はい、お腹開けました!
けれど思っていた以上にガンが進行していて手の施しようがないので、そのまま閉めました。
なーんて状況じゃ無かったよね?
そこんとこ知りたいんだけど、と思い夫に手術の話を聞いたか聞くと
「今は何も考えず大人しく寝てろ」
と言う。それじゃあ、何かあったんじゃないかと気になるじゃないかー。
まぁ今は詮索する気力も然程ない。
ひたすらに休みたかった。
けれどこのHCUは中々落ち着いて休めなかった。
私は翌日の14時までここにいることになっていたが
ここでは1時間ごとのバイタルチェックがある。
そのたびに寝ていようが起こされ痛みが無いかも聞かれる。
それは夜でもだ。
だが深夜の1時からそれが無くなった。
いきなり無くなるので、暗くて時計の見えない私は
2時までの1時間がとてつもなく長いのかと
イライラと辛くなってしまった。
さすが長すぎるでしょ、2時間おきに変わった?
いやでも次に看護師さんがチェックにきた時に
2時ですって言われたら、あまりに時間が進んでなくて泣きそう。
そんな悶々とした事を考えながら眠れず、けれど動けないから
目をつむる事しか出来ない辛い夜を過ごした。
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