第181話 ガンの術後の生活 QOL

 よく、ガンになるのは「二人に一人ですよ」という話を聞く。

 一昔前は、保険を売ってるくせにこの言葉を大げさだろうと思っていた。


 だが、最近周りでガンになった人の話を聞く事がやたらと多い。

 とてもとても身近な病気になってきたのだと感じる。


 ガンになったという人の話を聞くたびに、私の体験談で役に立つならいくらでも話してあげたいとお節介に思ってしまう。


 私がガンと診断された時、不安で怖くて、とにかく情報を集めたくて本を読んだりネットで検索しまくったりしていた。


 私だけなのかもしれないけれど、出来るだけ自分がなるか分からないけれど症状の進んだ状況の情報も知っておいて、こうなるかもしれないんだという心づもりをしようなどという事もしていた。


 私にとって困るなというか嫌だなと思ったのは『死ぬこと』ではなく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が治療後にとても低くなる事だと私自身は考えていて、それについても色々調べていた。


 抗がん剤をやって髪が抜けるとか、開腹手術をしてお腹がゆるくなるとか、そういうのは聞いたことあるけど、それ以上の未来ってどうなの?


 ぶっちゃけ、ガンになった人が死なずに済んで生きていける未来って、完全なる健康体と変わりないの?


 本当はそうじゃないのを何となく知ってるけれど、具体的には分からない。

 怖い物見たさと、実際私がそうなってしまったらどうしようという思いから、後遺症や術後に出来なくなる事などを、どんどん深堀して調べるようになっていった。


 それで色々な事を知った。

 多分ね、「ガンになった」という事以上に、人があまり言いたがらないような術後の後遺症だからこそだろうか


「え?そうなの?」


 と思うような、私で言うなれば子宮がんになった人が「そうなるんだ」とは全く知らなかった情報を知る事になった。


 排尿障害が起こるかもしれない事。

 それによって、自己導尿と言って毎回トイレのたびに、自分で尿道に管を入れて排尿しなければならない状態になった人もいる事。


 大腸がんになった極一部の人だけだと思っていた、人工肛門を付けることになった人もいる事。


 腸閉塞を繰り返す人。


 人口膀胱になる人。


 リンパ浮腫によって、足がぞうさんのようになってしまう人。


 酸素ボンベを常に持ち歩かないといけなくなった人。


 子宮体がん、子宮頸がんになった人の術後の生活状態を調べただけでも、これだけの状態になっている人がいるのが分かった。


 もしかして私もこうなるかも?というのは怖くて仕方が無かったけれど、知らずに手術前の先生からの説明に挑むよりは、知っていて聞く方がずっと覚悟が持てた。


 だから怖い事であっても、情報って大事だなと思うし私は知りたいと思う。


 ここでも、私の体験談はもちろん、私が調べて知った事も少しずつ書いていけたらなと思う。

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