第182話 仕事を休むための診断書
この前ふと、がんになった時の会社の(と言うか部長とマネージャー)を思い出していた。
そういえば、結構な無茶を言われたよなと。
私は癌になった時に会社は長欠扱いにしてもらって休んでいたんだけど、会社だっていくら癌だからといって、簡単には長欠にしてくれない。
長欠にするには、それなりの診断書が必要なのだ。
それも会社が要求する文言の入っている診断書だ。
うちの会社でいうなれば
「○月○日まで自宅療養を要す」
などの日付と仕事を今は出来ないよ、というのが分かる文章が必要なのだ。
これを、そうやって「今は仕事出来ないよ」の体の状態の時に病院に診断書を書いてもらいにわざわざ行かねばならないのだ。
病気だからって、簡単には会社は待ってくれない。(うちの会社はそうだった)
まぁお休み頂いてるんだから当たり前なのかもしれないが、これが結構な精神的、身体的共にの負担だった。
しかも会社ってば、結構注文つけてくるんだよね。
出来るだけいついつまでに欲しいとか、必ずこの文言は入れてもらって、とか。
診断書ってさ、行ってすぐもらえるものじゃないし、申請するのに病院行ってもらうのにも病院に行く。
そして当たり前だけどお金もかかる。
病院にもよりけりだけど、会社に提出用の診断書は生命保険の給付金をもらう診断書よりは若干安い。
とは言えねぇ、ただじゃないんだから。
そうやって会社提出用の診断書をもらったら、それを会社に出しに行かなければならない。
大抵は外出を1日に済ませたいから、病院の帰りなどに寄るんだけど、それだけで長期で休む状態の人間にとっては重労働よ。
でね、この会社提出の診断書ってさ、病状が良くなって復帰する時にもいるわけさ。
実はこっちをもらう方が面倒。
これまた入れなきゃいけない文言がある。
「○月○日までは自宅待機、その後は完治にて仕事復帰可能」
という感じにまたまた日付と、今度は働いてもいいよというお医者さんからの言葉をもらわないといけない。
見本で書いたように「完治」というものを会社は求めてきたんだ。
完治証明みたいなの出してもらって、みたいな。
けどさ、癌って術後5年病院に通ってやっと寛解なんだよ。
働けるぐらいに動けるようになっても、再発するかもしれないし病院は通い続ける。
会社が求めるような『完治』という言葉は診断書に書いてもらえないんだよね。
なので部長に完治にはならない事を説明して、そういう証明はもらえませんと話したら
「体調を見て、仕事復帰可能、という感じに書いてもらって」
と言われる。
というか私、先生から仕事復帰可能と言われてないんだけどその診断書申請していいものなんだろうか?と思いつつも、会社は休みを延長するための診断書か、仕事に復帰できるための診断書か必ずどちらかは必要だと言ってくる。
それも早急に。
なので診察時に先生に伺いつつ、復帰の診断書の申請をしたのだった。
いやぁ、分かるんだけどさ、会社は長く休ませてるから早く状態を知りたいとかハッキリさせときたいとかさ、だけどこの私の癌の時の会社との診断書のやり取りは結構面倒だったなという思い出があったのだった。
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