第141話 恥ずかしがり屋

ガンの方の定期検診に行きました。

いつも大して話を聞いてもらう事もなく

サラーっと流されて終わりになっちゃうので


今日はこれだけは言わないと、と思っていた事を勇気を出して言ってみた。


それは睡眠障害の事。


寝つきはいいんだけど、すぐ目が覚めちゃうし

毎日、朝の起きなきゃいけない時間の最低1時間前には

キッカリ目が覚めてしまう。


けれど、がんセンターではこれに対する処方は出してくれないようで

精神科とかなら、そういう処方を出してもらえるかもしれません。

と言われたに留まった。


まぁ、そうだよね。

ここは婦人科だし、何よりがんセンターだし。


前にさ、ホットフラッシュが酷かった時も

その時の先生(もう変わったけど)は

「そういうのに比較的効く、漢方薬があるので何処かの内科で出してもらってください」


と言って、1回目は出してくれなかったんだ。


けれど2回目に、症状が続いていると話した時に

今のところ、こちらでも出せるので処方箋出して起きますね。

と、その時からがんセンターでも漢方薬を出してもらえる事になった。


ホットフラッシュの漢方薬は内科って聞いてたから

どうしてもなら、糖尿病でかかっている方の病院でお願いしてみようかな?と

思っていたからいいんだけど


精神科は行く用事ないしなぁ。


抗がん剤中は、それっぽい眠剤出してくれたんだけど

抗がん剤治療がおわったら、基本、がんセンターでは薬だしてくれないのかな……。


しょうがないので、どうしてもとなったら

何処か精神科を探すっきゃ無いなと思った。



そしてこの日も恒例の採血があったんだけど

その時の看護師さんが、パソコンに入っている私のデータを見ながら


「恥ずかしがり屋さんって書いてあるから……」

と言った。


ん?私のデータに恥ずかしがり屋さん?

それって私が、あまり積極的に話さないから恥ずかしがり屋さんのカテゴリーに

入ってるって事?


いや待てよ、私の性格についてじゃなくて

血管が恥ずかしがり屋(?)で浮き出てこないから

採血が大変って事か?


恥ずかしがり屋(?)の私はそれについて聞くことが出来ず

一人で頭の中で、どっちだろう?と考えていた。


そして恥ずかしがり屋の血管(そっちなのかな、やっぱり)のせいで

1回目の採血が失敗したので

針が抜かれた後に、バンソーコーを貼ってもらう時に看護師さんが


「四角いバンソーコーと丸いバンソーコー、どっちがいい?」


と聞いてきた。


「あ、どっちでもいいです」


と言うも


「今なら、好きな方を選べるよ」


とあくまでも私が選ぶのを勧めてくるので

私に近い方にあった四角いを選んだ。


四角いだと運気が上がるとか

丸だと痛みが早く引くのだろうか


などと、あり得ないけど

そういう事を想像しながら2回目の採血に挑んだら


他ごとを考えていたのが良かったのだろうか、次はスッと採れた。


ここのところ、調子が悪いけれど

腫瘍マーカーに異常がありませんように。


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