第5話 検査

お医者さんにお腹の色々なところを押され

痛がり度をチェックされた。


その間に看護師さんが点滴をつなげてくれる。


何の病気か、何が原因か本人はもちろん

先生も分からない。


というわけでレントゲンとCTを撮る事になった。


検査をするからと言って、痛みが取れるわけじゃない。

痛みは継続中。


私の中でも、いったい私は何の病気でこんなに痛い思いをしているのだろう?と

不安が大きくなっていった。


それにしても寒い。


その二つの検査でも原因は分からなかった。


その後、今度は造影剤とらやを入れてからのCTの検査。


「造影剤を入れたらどんどん体が熱くなっていきますよ」


と言われるものの、寒くて寒くて仕方の無かった私は熱くなるんだったらありがたい、別に問題ないわよ


と考えていた。

ところが、その造影剤を入れた後私を襲ったのは

熱さよりも吐き気だった。


検査の前に、稀に気持ち悪くなる人もいるという説明は受けていたが

「熱くなる」の方ばかり念を押されたので

この襲ってきた気持ち悪さに耐えながら


「いや、ちょっと待ってよ。ただでさえお腹痛いのに気持ち悪さまでプラスなんて勘弁して」


と結構必死に検査を受けていた。


その検査結果が出るまで、夫と一緒に簡易ベット室で待つことになった。


生理食塩水の点滴が効いたのか、時間が経って治まってきたのか

ピーク時よりは痛みがましになっていた。


「ねぇ、ところでここどこ?」


今更ながらに夫に今居る病院を尋ねる。


救急車に乗っていて感覚が分からなかった私は病院に到着して

一時間ぐらい経つまで、何という病院に自分がいるのかも分かっていなかったのだ。

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