第4話 病院へ
救急車がきて担架で乗り込んだものの、中々出発しなかった。
救命士さんが受け入れ先の病院を探すものの、中々無かったのだ。
私はその間も痛みで辛く、どこでもいいから病院に行って
何らかの痛みが治まる処置をしてほしいと願っていた。
15分ぐらいしてからだろうか、やっと受け入れ先の病院が見つかったようで
救急車が動き出した。
私は横になっているので、どちらの方向に進んでいるのか感覚として分からない。
結婚してから越してきた場所で地元ではないので
近場以外の病院の名を言われても、それがどの辺りにあるのかも分からなかった。
意識があるかの確認のためだろう、救急車内では結構、何度か名前や歳を確認される。
「痛くてそれどころじゃないんですけど」
という思いはあるものの、ちゃんと答える。
夫が手を握ったり、足に手を置いたりして私を安心させようとしてくれる。
私はそうやって私を大事にしてくれ、心配かけてしまっている夫に
大丈夫だということと感謝を伝えたいのに
痛みで思うように反応したり表情を作れない。
やはり15分ぐらいだろうか、それぐらいで病院についた。
とてもガラーンとした病院で先生らしき人と看護師さんらしき人二名しかいない。
そしてここはとてつもなく寒かった。
私は寒くて、寒くてガタガタと体を震わせずにはいられないほどだった。
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