第42話 創の処置と痛み

管が全て取れたら退院が近いと勝手に予想していたが

全て取れてから約一週間後が退院目標日になった。


食べるのは疲れると思うものの、食事は毎回

完食できる。


創の痛みはあるが、散歩は苦じゃなかった。


なので私の回復ぶりを見て、退院が早まらないかと期待したが

創の具合がイマイチなのか予定は変わらなかった。


この創なのだが、普通なのか普通じゃないのか

開腹手術初心者の私には分からない。


綺麗だと言われたり、薬を付けた方が良いと

抗生剤の塗り薬を処方されたり

どっちなんだ?


男性は、こういう創のような物を見るのには弱いだろうと

夫には見せていない。

見せて引かれるかもしれないと思うのも嫌だった。


毎日、シャワーを浴びた後に薬を塗ってガーゼを当て

テープで止めるのだが


退院後に一人で出来るようにと急に看護師さんがスパルタになりだした。

創の具合と私が一人で処置できるかのチェックのために

毎回シャワー後にはナースコールをする。


そして初めの頃はテープを貼るのをやってくれていた看護師さんたちが、見てるだけになって

私は不安な思いながらも一人で何とか処置するのだった。


病院では起き上がるのも横になるのも

腹筋を使わなくていいように、ベッドのリクライニングを使う。

使わないと、痛くてたまらない。


創の処置は退院後に一人で出来るとして

この起き上がりと横になるのは問題だ。ましてや我が家は畳の上に布団を敷いて寝ているのだ

つかまるものだって、ありゃしない。


それを思うと早い退院も良し悪しな気がして

気長に退院日を待つ事にしたのだった。

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