第30話 落ち着いた患者2

私は周りから見たら


「少しオツムが足らないんじゃないか」


とか


「何にも考えない人なのかな」


と見られてるんじゃないかと思うほど


ガンと診断されても

闘病が始まっても


動揺しない人だ。


それは簡単に受け入れ、平気なわけでは無く

本やネットで色々情報収集をして

自分の中で昇華してるから落ち着いているだけなのだ。


お医者さんから病気の内容や手術の説明を受けている時も

自分が勉強した事の復習を聞いているようで

質問する事も分からない事も無かった。


それと私が落ち着いていられる理由のもう一つは

お金だ。


生命保険の給付金がたくさん入り、精神的余裕が出ている事と

そのお金を使って闘病に前向きになれる物を

結構、贅沢して使ったのだ。


贅沢と言っても、入院に必要な物を

普段なら買わなそうな物まで買って、テンションを上げた。


些細な物なんだよ

ティシュカバーを可愛い物にするとか

(普段はティシュカバー自体使わない)


使えるけど古くなり過ぎたタブレットを新調するとか

ウォークマンを新調するとか


可愛いパジャマを買うとか、ね。


それで気分が上がって、ガンに対抗する前向きさや

明るさが出るなら安い物じゃない。


ガンはガンになった事で、鬱病になる人もいる。

私は閉経前に卵巣も取るから更年期障害も一気にくる。


頑張ろうとしても精神的に落ちる事だってあるだろ。

そんな時に、ちょっとした贅沢で改善出来るなら

私はどんどん使おうと思ってるんだよね。


それを人に言ってないし

だから周りからは


何も分かってないんじゃないか?と思われるぐらいの

あっけらかん、ガン患者になってるとおもうんだよね。

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