第165話 ガンと診断される前の私
ガンと診断される1〜2年前の私の体調は最悪だった。
いつもどこかしらが調子が悪く、特に頭痛と生理の長さは酷かった。
生理の長さが酷いというのは、中々生理が終わらないという事だ。
オリモノか生理か分からないような微妙な経血が1週間どころか10日以上続いた事もある。
量が多いならば、もっと異常に思っただろうが長引く時は量はとても少なかったのだ。
けれど逆に多くて大変な事もあった。
ナプキンを替えて10分もしないうちに、ドロッと経血で一気に夜用ナプキンでもカバーしきれなくなるのだ。
これはいつもではなく、数ヶ月に一度の事だったので自分で「病院に行くほどの事じゃない」と思ってしまった。
本当に悪い病気なら、たまにではなくずっとこうなると思ったのだ。
自分の中で婦人科に行きたくないから、「病院に行くほどの大した事じゃ無い」と思い込もうとしていたのもあるかもしれない。
とはいえ、一番大きかった理由は年齢と症状が更年期障害っぽかった事にあった。
『少し早い気もするが、私はもう更年期障害になってしまったんだ』
と思っていた。だからこそ、それ以上の重い病気、それもガンだなんて考えもしなかった。
それとネットで生理異常について調べると、大抵は生理過多(生理の量が多い)事についてがほとんどで、少ない量がダラダラ続く私はその重い病気では無いと思い込みたくなる理由のもう一つでもあったのだ。
そんな状態を一年は続けたと思う。
なのでさすがに夫も私に病院に行くように言った。
「えーっ婦人科なんて行きたく無いよ。行きつけのところがあるわけじゃないし」
と思っていたが私も今の状況を何とか出来るなら、カラッとスッキリ元気になりたいと意を決して行ってみた。
ところが、少しの内診と子宮ガンの細胞診をしてもらったが特に問題はなく極度のストレスと早めの更年期だろうという診断で終わった。
今にして思うともしかしてこの頃からもうガンになってたのかもしれないけれど、原因不明で入院した際にも最初にした細胞診では異常が出なかった。
この時もその時と同じように、たまたまガンになっていない辺りの細胞が取られたのかもしれない。
というわけで、それから私は「ほらやっぱり婦人科系に特に問題があるわけじゃないんだよ、歳だよ歳。後はストレス?そんな感じだよ」
などと勝手に思い体調悪い状態と生理不順をやり過ごしてしまっていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます