第76話 『とある本屋が繋ぐのは』 浅川瀬流さん

〇作品 『とある本屋が繋ぐのは』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330653896212912

 

〇作者 浅川瀬流さん


【作品の状態】

 短編・完結済!

 KAC2023・お題「本屋」参加作品


【セルフレイティング】

 なし。


【作品を見つけた経緯】

『KAC2023 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2023~』の期間中に、見つけた作品です。


【ざっくりと内容説明】

 主人公は、読書嫌いな高校生の紗穂ちゃん。彼女は休日に友人の佳奈美とブックカフェで勉強することになるのですが、そこである本を見つけて——?



【感想】(少しネタバレしています/作者の語りが多いです)

【ざっくりと内容説明】でも説明しましたが、主人公の紗穂ちゃんは本嫌い。しかし最終的にその子が本を手に取る話なのですが、現実でもこういうことが頻繁に起きてくれればいいのになと思うような、いいお話でした。


 私は物語を書くのも好きですが、本を読むのも好きです。

 ですが「読書離れ」と言う言葉が聞かれるようになったように、多くの人は本を手に取らなくなっていますよね。本以外に楽しめるものが増えたのはいいことですが、読書好きの一人として残念だなと思います。


 しかし読書離れといっても、皆さん読みたくないわけでもないそうなんですよね。

 私は自分の周囲にいる、本をあまり読まない人に「読書はしたいと思っていますか?」と聞いたことがあるのですが、十人中十人が「読書はしたい」と思っていると回答しました(忖度したのかもしれませんが<笑>)。でも、実際にはできていない……。

 実を言うと、これには理由があります。


 (もしかするとどこかで書いたかもしれませんが)読書をするのが難しいのは、「能動的」だからです。テレビのように、付けておけば勝手に情報が入って来るような「受動的」なものとは違い、自ら意思を持ってしなければならないので慣れていないと大変なんです。


 本を開き、文字を追い、その意味を脳内で解釈し、時には脳内で映像化……。結構エネルギーを使うんですよね(書く方がもっとエネルギーが必要ですが<笑>)。


 習慣化されてしまうと楽なのですが、それに至るまでが難しい。

 でもこれは、自分でどうにかするか、外部からの圧力で読まざるを得ない状況になるかのどちらかがないと行動には移せないと思います。そして後者は持続しない場合が多いでしょう。何故なら「読書」が強制になるからです。自らの意志ではなく誰かにやらされてやっているため、圧力がかかる状況から解放されたら自由を得たように感じ、読書から離れて行ってしまいます。(読書の魅力をきちんと教えられる指導者がいれば別ですが)


 そう考えると「読書」をするためには、自分でどうにかするしかないのですが、これも難しい。読書と言うのは、普段の生活のなかでやってもやらなくてもどちらでもいいものですから、つい「後でいいや」となりがちです。


 これは私の持論ですが、読書が出来ない人が持続して読書ができるようになる一番いい方法は、「読みたい」と思うきっかけができることだと思います。


 自分のなかで「読んでみたい」という気持ちが湧き起こった場合は、興味がそそられることで、自然と「読書」へ行動を移せます。また「読みたい」という気持ちがあれば、多少内容が難しくてもすぐに挫折することは少ないはずです。


 実際、読書が嫌いだった人(自らの意志でしようとしなかった人)が、アイドルが書いた著書を買って読み始めたと、私に教えてくれたことがあります。


 ですから、『とある本屋が繋ぐのは』で紗穂が経験したように、「読みたい」という気持ちが心の内から湧き出てくると、読み手にとってもいいことですし、本にとっても幸せなことなのではないかなと思うのです。


 紗穂ちゃんのように「読んでみたい」と思った本に出合えたら、きっと特別になることでしょう。本にとっても幸せなことですしね。

 願わくば、これを機に様々な本を読んでくれたらなと思います。



 今日は『とある本屋が繋ぐのは』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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