第8話 『見下ろす路傍の傘畑』 東 京介さん
〇作品名 『見下ろす路傍の傘畑』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886018532
〇作者名 東 京介さん
【作品の状況】
短編・完結済!
【作品を見つけた経緯】
私の「愛をはかる薬」と言う作品に、怪屋さんと言う方がレビューを下さったので、どのような作品を買いていらっしゃる方なのかと思い、作品欄を覗いて見たのがきっかけです。
【ざっくり内容説明】
雨の日にあった、男女の出会いを書いた物語です。
主人公の男性は、雨の日にマンションの屋上で雨に打たれるを趣味にしているという、なんとも風変わりな方です。しかしそれにはちゃんと理由がありまして、都会の喧騒から離れたこの場所で、雨に濡れると癒されるからなのです。
普段は一人でその時間を堪能しているのですが、ある時から見ず知らずの女性が一人、ここに来るようになります。
主人公は社交的な方ではないようですが、勇気を出して女性に話しかけます。
そこから二人は屋上から見える、人々が差した「傘」を花にたとえながら、何気ないやり取りをしていくのです。
さて、この二人はどうなるのでしょうか。
【感想】
雨の日に差した傘を、花にたとえる――。
何ともロマンチックな話ですね。
ストレートに、良い話だなと思います。文章も読みやすく、突っかかるところがありません。また、作中に説明があまりないのが面白いなと。
例えば、この男性が今どこに住んでいるのか、ということを「都会の喧騒から離れてゆっくりと自分の世界に浸れる場所というのは限られているもの(作中より引用)」ということだけで、読者は沢山のヒントを得ることが出来ます。
つまり、箇条書きにするとこのようになります。
・男性は都会に住んでいる。
・ゆっくりと自分の世界に浸れる場所が少ない。
・このマンションの屋上は、彼が気儘に過ごすことのできるところ
こんな感じで想像できます。人によってはもっとこの主人公の性格なども、予想したりもできるのではないでしょうか。
こうやって元ある情報から、読者が予測し易く、そしてさらにその先まで想像できるような作品は面白いなと思います。中々書くのは難しいですが、読者としては楽しいです(私個人の意見です)。
また、赤い傘を「スイートピー」に例えているのですが、もしかしたらこれは、松田聖子さんの歌にある「赤いスイートピー」と関係があるのかなと思ったりしました。
そこまで考えて作っていたとしたら、ますますこの作品は読者の想像を掻き立てるお話だなと思います。
爽やかで、ちょっと甘酸っぱい大人の恋未満の話。
よかったら、皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。
今日は『見下ろす路傍の傘畑』をご紹介いたしました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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