第27話 『犬とオオカミの間』 柊圭介さん
〇作品 『犬とオオカミの間』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054921350547
〇作者 柊圭介さん
【作品の状態】
連載中です。
【作品を見つけた経緯】
柊さんの『モーパッサンはお好き ᕦ⊙෴⊙ᕤ』(以前ここで紹介済)を読んでいたときに、こちも面白そうだなと思い読み始めました。
【ざっくりと内容説明】
フランスに住んでいらっしゃる、作者さんのエッセイです。
【感想】
私はカクヨムさんに来てから、高い頻度でエッセイを読んでいます。
そのなかでも、旅行の話とか、海外に住んでいる方のエッセイは特に好きです。それは私がインドア派でありながらも、外の世界に憧れているせいかもしれません。
今回ご紹介する『犬とオオカミの間』も、フランス在住の方のエッセイです。
丁度エッセイを始められたのが、新型コロナウイルスが世界中に広がり、フランスでは外出制限がかけられた時期でした。そのため最初の方を読んでみると、当時の大変さが思い出されます。
あのころは、新型コロナウイルスのことが今よりも全く分からなくて、どうやったら防げるのかとか、どういう人たちに罹ったらまずのかということすらも分かりませんでした。そのため誰とも触れ合わないという措置がとられましたよね。特にヨーロッパは顕著でした。
とても辛いことだったはずですが、フランスの人たちはバルコニーに集まって、声を出して、お互いを励まし合っていたそうです。これはニュースでも話題になっていたので知っていましたが、現地の人のエッセイから読むというのは、ニュースとはまたちがった感慨がありました。
また、食べ物の話もあります。
「バゲットの味」という話には、書き綴られる言葉から想像すると、本当にバゲットを食べているような気分になります。
焼きたて、出来立てのバケットを食べる時の感覚!
文章からバターの良い香りがしてきて、とっても美味しそうです。
それから少しずつ季節が移ろい、春、夏、秋、冬、と柊さんが経験したことを、とても丁寧な言葉で書き綴っています。
私が特に好きなのは、「南仏記④ ミツバチとラベンダー」。これは新型コロナウイルス蔓延中でありながらも、バカンスに行きたがる同居人のフランス人と、南仏へ行ったお話。そこで、ミツバチとラベンダーとの出会いがあるのですが、読んでいるとまるで自分もそこに行ったような気分になります。「旅行に行きたくても行けてない!」という人には、少し旅行気分を味わえるのではないでしょうか。
他にも魅力的なお話が沢山。
時々現実に引き戻されるように新型コロナウイルスの話がありますが、お陰で「世界中どこでもこの感染症と闘っているんだな」という、「私たちは私たちが我慢しているんじゃない。世界の皆が大変な思いをしているんだ」ということを、思い出します。
最後になりますが、『犬とオオカミの間』というタイトル、何だか不思議ではありませんか?
実はちゃんとした意味があるんです。それがエッセイのエピソードの中にあるので、気になる方は読んで探してみてはいかがでしょうか。
今日は『犬とオオカミの間』をご紹介しました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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