概要
日没のひととき・黄昏
パリのこと、フランスのこと。日常の風景。思ったこと。
そういうのを短い文章にしたものです。
気紛れに更新します。
セレブな内容や観光案内ではありません。
ご了承ください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!屋根裏の窓から眺める巴里の屋根
男の人が書く文章が好きだ。
女の人が書く文章も好きだが、男の人の書くものには、一抹の滑稽と、もの哀しいまでの落ち着きがある。
ばかばかしいわねぇと笑う時も、何だか凄いものを書いているわと感嘆する時も。
古い書斎のような、硝子窓の外で葉を揺らす樹を見るような、性別という区切りの向こうの、男性という佇まい。
「柊圭介さん? 知っていますよ、わたしサイレント読者です。柊圭介さんのような男の人が女性読者から好かれるのは分かる気がします」
かっ飛ばして笑っていたが、赤面の至りだ。
フランツ・リストのごとく常に大勢の女性に取り囲まれている印象だったが、柊圭介さんの読者には、女性も多いが、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!カクヨムコン受賞者による珠玉のフランスエッセイ。化け物クオリティです
「いいんですか、これwebで読ませてもらって?」が初見の感想でした。
私、いわゆる商業のエッセイ大好きでよく読むんですけど、エッセイって『視点』がものを言う形態だと思ってます。
『視点』=『なにをどう取り上げるか』ってことなんですけど、これがもう抜群に良い……
パリの様子を綴るルポ的ページから、昔ながらの小さな路地、学校帰りのパリの子供、チーズのとろけ具合、窓に遊びに来た小鳥まで……
逆に何を書けないのか知りたいくらい、どんな題材でも、柔らかな視点で一級のエッセイに仕立て上げてしまう。
恐るべし……さすがカクヨムコンで選者に「圧倒的」と言わしめた方……
これで文章力まで超ハイレベルなの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!今、私たちと共に歩むエッセイ。舞台はフランスです!
このエッセイが始まったのは、丁度新型コロナウイルスが世界中に広がったころ。作者の柊さんはフランスで生活をされている方で、当時の様子をここで語って下さっています。
あのころのフランスは、外出制限がかけられた時期だったので、最初の方を読んでみると当時の大変さが思い出されます。
それから少しずつ季節が移ろい、春、夏、秋、冬、と柊さんが経験したことを、とても丁寧な言葉で書き綴っています。
私が特に好きなのは、「南仏記④ ミツバチとラベンダー」。
これは新型コロナウイルス蔓延中でありながらも、バカンスに行きたがる同居人のフランス人と、南仏へ行ったお話。そこで、ミツバチとラベンダーとの出会い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それぞれの国の持つ「文化」について、改めて深く考えさせられる。
フランスのその土地土地で心を込めて作られた料理を味わい、窓の外の風景をゆっくりと眺める。まるでそんな贅沢なひと時を過ごすような、深く豊かな味わいのエッセイです。
このエッセイの素晴らしさは、既に多くの方々がレビューに書かれている通りなのですが、私がこのエッセイに触れて改めて深く感じることは、「それぞれの国の文化は、その国の歴史に深く根ざしている」ということでした。
境界線という一本の線でのみ領域を区切られている土地は、侵略などの危険と常に隣合わせの歴史があります。自己をはっきりと主張し、戦うべき時に戦わなければ、自分達の暮らしを守れない。そんな古くからの覚悟というようなものが、そこに住む人々…続きを読む - ★★★ Excellent!!!フランスから届く、玉虫色に輝く言の羽
フランス在住の作者が、日常生活の風景や感じたことを綴っているエッセイです。
パリ市の標語である「たゆたえども、沈まず」
パリの夕暮れを表現した「犬とオオカミの間」
フランス的桜の鑑賞と日本的桜の想いを綴った「フランスの桜、日本の桜」
フランスにお住いの作者だからこそ語れる上記のような作品もあれば、やるせない気持ちや寂寥感、浮き沈みする心を言葉にした作品も繊細な感性で描かれています。そのどれもが色鮮やかでバラエティーにとんでいます。
知的で美しい表現。季節や空を鮮やかに切り取った言葉たち。風景描写と心がリンクした詩。真面目に語っているのに毒っ気たっぷりのユニークさ。くすくす笑ってしまう、そっと…続きを読む