第28話 『これ、よければもらってください』 藤光さん
〇作品 『これ、よければもらってください』
https://kakuyomu.jp/works/16816700426823134157
〇作者 藤光さん
【作品の状態】
連載中。
<追記(2022.2.17)>
2022.2.5に100話になり完結しました。おめでとうございます。
次の作品のエッセイが始まっているようなので、今度はそちらを拝読しようと思います。
【作品を見つけた経緯】
例の如く、色々な方のレビューを転々としていたところ、見つけました。
【ざっくりと内容説明】
エッセイです。主に「小説を書く」ことについて書かれています。2021年の8月に始まったものなので、最近のニュースについて、作者さんが思ったことや考えたことなどが書かれていて面白いです。
【感想】
私が読み始めたのはすでに第24話まで投稿されていた状態だったのですが、第1話を読んだ途端、面白くて一気に第17話まで読んでしまいました。そこで止めたのは、読むのが勿体なくなったからです(笑)もう少しゆっくり、じっくり読みたいなと思い、自制して一旦ストップしました。(しかしそのあと、あまり間を置かず全部読んでしまいましたが<笑>)
『これ、よければもらってください』のいいところ。
これは私の感覚なので他の人はどうか分かりませんが、捉えどころが面白くて、共感できるところです。思わず「あー! 分かる、分かる!」と画面を見ながら頷いてしまう。
また、コメントも書きたくなる話ばかりだったんですけど、ふらりと現れて読み始めた人が、一気に沢山コメントしたら、さすがに気味悪がられるのではないかと思い、書くのを止めました(笑)
どの話も面白くて、どれがおススメかと選出するほうが難しいのですが、小説関係の話なら第7話の「異世界転生の思い出」、普段の生活話なら第15話「オリ・パラが終わって」でしょうか。
第7話「異世界転生の思い出」では、作者さん自身の「異世界転生」を書いていたころの話と、何故今、これらのジャンルの物語が受け入れられ、流行っているのかということが書かれています。
「異世界転生」が現在受け入れられている見解については、私も同意見だったのですが、物語というのはやはり社会を映し出しているのかなと思います。
人気になる作品と言うのは、もちろんその作品自体に力があって、人を惹きつけるものがあるとは思いますが、時代によってはその内容が受け入れられないことがあります。実際過去の文豪でも、亡くなった後に評価されるということが現実に起きています(もちろん、他にも要因はあると思います)。人々が物語を選ぶ背景には、今私たちが生きている時代そのものが、少なからず影響されているんだろうなと私は思います。
それはきっと、物語というのは単純に空想や架空のものではなく、実際に生きる人たちの言葉を代わりに表現しているからではないでしょうか。
言いたくても言えないこと、言ってはいけないこと。それを物語が代弁してくれている。例えば、「異世界転生が好き」というのは、作者の藤光さんも書いていらしていましたが、「現実の世界に魅力を感じていない」ということなのかもしれません。……と、これ以上語ると終わらなくなりそうなので、これは一旦ここで終わりにしまして(笑)
第15話「オリ・パラが終わって」も、とても興味深いお話でした。
新型コロナウイルスが広まっているなか、お祭りのようなオリンピック・パラリンピックをしていいのか、ということがずっと議論されていましたよね。
作者さんが、本文中に「オリンピックやめろっていうのは、オリンピック選手に対する侮辱だったんだなあと思いました」って書いていたんですけど、私もそうだなと思います。
例えばですけど、私たちも小説を書いていて、今年もカクヨムコンがあると思っていますよね。それに向けて頑張って書いていたのに、突然なくなったとしたらすごくガッカリすると思うんですよ。もちろん、オリンピックやパラリンピックみたいに大きいことではないですし、多くの人は一人でやっていることなので、なくなったからといって経済とかそういうことにはなんの影響もないかもしれない。あっても、オリ・パラほどでないことは確かです。
でも、書き手がそれを目標に頑張っていたとしたら、とっても辛いと思います。もしかしたら書籍化できるチャンスが得られるかもしれない、賞をもらえるかもしれないという可能性があって書き続けて来たのに、それがなくなるんです。人によって感じ方は違うかもしれませんが、そこに沢山の時間を掛けてきた人ほど、がっかりするんじゃないでしょうか。
それと同じで、オリンピックやパラリンピックという大舞台で、自分の力を発揮したいという人たちにとって、「オリンピックやめろ」「パラリンピックやめろ」というのは、作者さんが言うように侮辱なんだろうなと思いました。
このように『これ、よければもらってください』では、自分のどこかににあった「考えていたこと」「思っていたこと」を文章にしてくれているので、気持ちを言葉に置き換えられる感覚があります。それは案外、人にとって重要なことなんじゃないかと思います。
共感できる方も、共感できない方もいると思います。でも、良かったら読んでみてほしいです。
それから柔らかな文体で書かれていらっしゃるので、それもまた魅力ですね。
……なんだか今回は、特にまとまりのない文章ですみません。
今日は『これ、よければもらってください』をご紹介しました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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