第91話 『猫店長の優しい本屋』 碧絃(aoi)さん

〇作品 『猫店長の優しい本屋』

https://kakuyomu.jp/works/16817330653898082827

 

〇作者 碧絃(aoi)さん


【作品の状態】

 短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし。


【作品を見つけた経緯】

 先日、雀さんというユーザーさんが、当作品『問わず語り~』をフォローしてくださいました。初めての方だったのでどういうものをお読みになっているのかなぁと、プロフィール欄などを拝見したところ、この作品を見つけました。


【ざっくりと内容説明】

 それは求めた者だけが行くことができる、本屋兼紅茶のお店。ちなみに店長は、美しいリーフグリーンの瞳に、ライトグレーの毛並みをした猫です。


【感想】

 皆さん、本を買うときは悩む方でしょうか?


 もし、買うかどうかいつも悩んでしまうという方が、『猫店長の優しい本屋』をお読みになったら、きっと「行ってみたい!」と思うのではないかなと思います。


 お話の冒頭、仕事をしている「僕」がいつもと同じ帰り道を歩いていると、ある小さなお店に目が留まります。「こんなところにお店なんてあっただろうか?」と不思議に思いながら扉を見ていると、なんと猫「いらっしゃいませ」と挨拶して出迎えるではありませんか!


「僕」はびっくりしてしまいますが、そういうお客さんが多いのでしょう。猫は気にせず「僕」をお店のなかへと案内するのです。するとそこには天井までびっしりと埋め尽くされた本棚があります。

 すると猫は「ここが本屋で紅茶を提供する場所で、自分が店長をしている」とのこと。猫が店長をしている本屋さんって面白そうですよね。


 そして「焦らずじっくりと、自分が本当に読みたいと思う本を探してくださいね」(『猫店長の優しい本屋』より)と言ってくれるのです。


 この先のお話の続きが気になる方は是非、『猫店長の優しい本屋』をお読みください。お読みになったら、紅茶を片手に本を読みたくなるかもしれません。


 私はこのお話を読んでいて、本当に『猫店長の優しい本屋』があったらいいなと思いました。私は「本を買うこと」に慣れていて取捨選択の仕方も心得ていますが、「本を買いなれていない人」からすると、それを買うかどうかを選ぶことすら難しいと思います。

 数年前、私は上司の意向もあって、職場に入ったばかりの若い子たちに、「読書講座」を開いたことがあります。彼らは皆「読書は普段していない」と言いつつも、「本当はしたい」と言っていました。

 まあ、もしかしたらその場しのぎの回答だったのかもしれませんが(笑) 


「読書講座」は三年行いましたが、傍から見る限り彼らの生活に「読書」が根付くことはなかったなと感じます。私としては一所懸命にやったつもりですが、やはりやり方が合わなかったのだろうなと思います。

 それゆえに、もし「本当は読んでみたい」という気持ちが本当だったら、どうやってアプローチすればいいんだろうと、今でもずっと考えています。


 そう思っていたこともあり、この作品には惹かれるものがあるなと思いました。

 現実には、猫店長が営むような、じっくり読んで買うかどうか決められる本屋さんを作るのは難しいかもしれませんが、せめてファンタジーのなかだけでもこの素敵な雰囲気を味わいたいものです。


 今日は『猫店長の優しい本屋』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。



【この作品の続編もあります】

『アンラッキー7の名前』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330654388239367


 もう一度、猫店長に会いたい方はこちらも合わせてどうぞ。

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