8月 August
第45話 「『古事記』『日本書紀』から学ぶ日本古代史学習エッセイ」 麗玲さん
〇作品 「『古事記』『日本書紀』から学ぶ日本古代史学習エッセイ」
https://kakuyomu.jp/works/16816452219091770654
〇作者 麗玲さん
【作品の状態】
連載中。
【作品を見つけた経緯】
「📚知見棚」という自主企画からお邪魔いたしました。
【ざっくりと内容説明】
タイトルにもある通り、日本古代史についての内容です。
【共感した部分】
私は現在、日本語に関するエッセイ(創作論?)を執筆しているのですが、「『古事記』『日本書紀』から学ぶ日本古代史学習エッセイ」を読んでいて、麗玲さんと同じように「多くの資料を使用して何かしらの分野に特化した内容を書く者」として共感した部分があります。
それは「なるべくお金をかけたくないので図書館で借りた方がいいが、出不精なのでつい買ってしまうところ」と「かさばらないから電子書籍を買うのはいいけれど、どんどん買ってしまうので自制が必要」という部分です。読んでいて思わず「分かります(笑)」と思ってしまいました。(9話目の「お金が無い! そんな場合、無料で典籍を読む方法」より)
私も日本語関連の話を書く上で様々な資料を参照しますが、麗玲さんと同じく出不精で、そもそも図書館が遠いのでどうしても購入しがちです。
とはいえ、それが悪いというわけではありません。資料は執筆する上で何度も読み返しますし、必要な時は本に直接書き込んでしまうので、結局のところ購入した方がいいというところに行きついてしまうのですが、お陰で趣味の延長で始めたはずのお話が、一番お金のかかった内容になっています。自分がやりたくてやっているので構わないのですが、ちゃんとしたことを書こうとすると時間もお金もかかるんだなぁって思いました。私の場合、要領が悪いので尚更かもしれません(笑)
それから、電子書籍は24時間購入出来て、セールをしているときもあるものですからつい買ってしまいますね。場所も取らないのはいいのです。ただ、タブレットのメモリの容量滅茶苦茶食ってますケドネ……。
麗玲さんがどれくらいの資料を読み込んで書いているのかというのは想像でしかないのですが、きちんと書こうとすればするほど並大抵なことではないことは、私自身の自分の経験で分かります。そのため、この方が書く内容は信用に値すると思います(本気で調べるならば、自分でも調査する必要があると思いますが)。
そのため麗玲さんのようにきちんと調べて書いていらっしゃる方の作品は、ちゃんと評価されてほしいなという気持ちがあります。読んだ方が参考になったのであれば尚更です。
読者の方の中には「自己満足で書いてるんだから別に評価しなくたっていいだろ」という考えも持っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、読んだ方にとって役に立ったのであればやはり評価されるべきだと思います。それが書く人の意欲にも繋がりますし、何より「公平に公平な内容を学べる場所」の提供を持続させ、時にはそいう場所を増やす重要な役割を担っているようにも思います。
もちろん、どこか一方に偏った意見を述べている内容は、いくらきちんと調べてあったとしても評価出来ない場合もあるでしょうけれど、「『古事記』『日本書紀』から学ぶ日本古代史学習エッセイ」に関しては、比較的フラットな視点で内容が書かれているように思います。
今後ご自身の執筆や考え方の一つとして、参考になる内容だと思います。
【感想】
作品の内容をお話する前に、皆さんはご自身が読んでいらっしゃる書籍、特に歴史や科学といった学術書的なものについて、それらの内容をどれくらい「正しい」と思って読んでいるでしょうか。
このエッセイをお読みになったら、きっと選ぶ書籍も変わってくるのではないかと思います。
——トンデモ情報に惑わされない。初学者に贈る日本古代史の勉強の仕方。
これは、今回紹介する作品のキャッチコピーにある一文です。作者さんご自身が「大袈裟」だと仰っているのですが、考えさせられるところはあります。
ご存知の方もいらっしゃいますが、私は現在『NIHONGO-Ⅱ-』を連載していて、日本語に関することを執筆しています。
出来るだけきちんとした内容を書くために、様々な資料を集めて執筆しているのですが、そうなると言葉を調べると同時に、資料が信用できるかどうかも他の資料と比較して確認します。中には、誤ったことを書いているものもありますし、どちらともいえない記述もあります。よってそれらの内容について自分なりに考察し、どのように文章に落とし込むかを考えています。
私は作者さんとは別の分野ではあるものの、自分自身が似たようなことを経験しているので、「歴史の内容」と「信用できるか否かの見極め方」にとても関心を持ちました。
私はそれほど歴史が得意ではないので、作者さんの執筆している正当性については保証しかねますが、挙げられている参考書を読む限り、私が執筆でお世話になっている方の著書名が出ていたので、しっかりと資料の取捨選択を行ってエッセイとしてしたためているのだということは分かります。
また、読んでみて分かると思いますが、そもそもの内容も面白いです。
私はその時の気分によって、興味があるタイトルからランダムに読んでいるのですが、中でも「上代の一般兵の武装を推察」は中国文献と国内文献を参照して比較しているのが興味深かったので印象に残っています。取り扱っている内容が難しいので、歴史が苦手な方にはちょっとハードルが高いかもしれませんが、作者さんなりに咀嚼して分かり易く解説しています。そのため、少し気合を入れて読んで下されば、きっとこのエッセイの面白さを見いだせると思います。
こんなに深く考察しているものがタダで読めるのですから、読む方にはそれくらいは頑張ってもらうとして(笑)、史実に基づいた歴史小説などを書こうと思っていらっしゃる方は特に、参考に出来る部分があるかと思います。もちろん、日本古代の歴史について学びたい方にもよい内容でしょう。
今日は「『古事記』『日本書紀』から学ぶ日本古代史学習エッセイ」をご紹介しました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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