5月 May

第34話 『【KAC20222】その一言に、万感の思いを込めて。』 肥前ロンズさん

〇作品 『【KAC20222】その一言に、万感の思いを込めて。』

https://kakuyomu.jp/works/16816927861318111195

 

〇作者 肥前ロンズさん


【作品の状態】

 短編。完結済。


【作品を見つけた経緯】

 肥前さんのコレクション「KAC2022作品」から見つけました。


【ざっくりと内容説明】

「頑張る」ということに、焦点を当てた作品です。


【感想】

 主人公は、引きこもりの少女。その子が、大好きな声優の握手会の抽選に当たり、そのイベントが行われる会場へ行くお話です。


 他者から言われる何気ない「頑張れ」に対し、少女は自分なりの解釈をし、そしてさらに傷ついていく彼女の様子が丁寧に描かれています。


「頑張れ」「頑張って」という応援をどう捉えるかは、人によって違います。

「応援してくれている!」と素直に受け止められることもあれば、自分を鼓舞するエネルギーに変えられる人もいることでしょう。

 その一方で「どうしてそんなことをいうのだろう?」と「頑張れ」の言葉の裏に潜む重い何かを感じて、それを背負い、苦しくなる人もいます。この場合、大抵は「頑張れ」と言われていることに対し、物事が上手くいっていないときであり、言われれば言われるほど傷つきますし、辛い状況になっていくのです。

 それでも、周囲の人たちはその人を励まそうと「頑張れ」と言ってくれるのですが、当人にはそれを受け止められる力がない。

 この作品では「頑張る」ことへの色々な形が表現されているなと感じます。


 最終的に、少女は握手会のイベントを通して「頑張る」ということについて、彼女なりの一つの答えを導き出します。それは、今、「頑張れ」という言葉を聞き飽きて、疲れを感じている人に、一つの考え方を与えてくれるのではないでしょうか。


 今日は『【KAC20222】その一言に、万感の思いを込めて。』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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