4月 April
第33話 『雪に咲む』 羽間慧さん
〇作品 『雪に咲む』
https://kakuyomu.jp/works/16816700428947699774
〇作者 羽間慧さん
【作品の状態】
完結済。
【作品を見つけた経緯】
作者さんのコレクション「カクヨムWeb小説短編賞2021 中間選考通過作品」のトップにあったので。
【ざっくりと内容説明】
作者さんご自身が経験した恋の話です。
【感想】(少しだけネタバレあります)
「恋」というのは、人によって捉え方が違う言葉だなと、年を経るごとに感じます。
辞書を引くと、この語釈は辞書によって本当に様々で。近年新しく改訂された版は特に、同性愛者の方の恋もあることから、男女に限定した書き方をしていないものが多くなりました。
それでも、社会が多様性を受け入れるようになればなるほど、「恋」はもっと複雑で奥深いものであることが分かっていくように思います。
『雪に咲む』は、作者さんが経験した恋が綴られているのですが、それは女性同士のお話です。作者さんは異性愛者ですが、「恋愛対象に女の子も含む」とカミングアウトした雪乃さんからの告白を受け止め、恋人同士になります。
その日常はとても穏やかで、そしてお互いを思いやっていて。好きだからこそ言えないことがありつつも、大切な日々を過ごしていく二人の関係は、読者としても応援したくなるものです。
しかしこの二人の関係は、新型コロナウイルスの蔓延による外出自粛の影響を受け、少しずつ変わっていきます。この先のお話は、是非本編を読んでいただきたいです。
私が思う「恋」とは、人によって本当に違うものなので、定義するには難しいもののように思います。
従来の「恋」が型にはまっているとは思いませんが、少なくとも多くの人が共感し、近い道を辿って来た形をとっているように感じます。
しかし、現在の「恋」は型にはめることが難しい。男女の恋もあれば、作者さんのような女性同士の恋もあるでしょうし、男性同士の恋だってあります。時には年齢の差のある恋だって、体の関係を持たない恋だって、もちろんあります。
「恋」とは、何なのでしょう。難しいですね。
片思いもありますから、本当に、簡単に表現は出来ないものですけれど、この作品で感じた「恋人」についてであったら、言葉にできるかもしれません。
私がこの作品で感じた「恋人」とは、お互いにとってなくてはならない、対等な相手なのではないかということ。親との関係でも、子どもとの関係でもない。兄弟(姉妹)の関係でもない。特別で、家族のように近いけれど、そこには当てはまらない何か。
そういうものに「恋」があるように思います。
今日は『雪に咲む』をご紹介しました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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