2月 February
第70話 『僕はそれで良いと思います』 さくらみおさん
〇作品 『僕はそれで良いと思います』
https://kakuyomu.jp/works/16816700429417343400
〇作者 さくらみおさん
【作品の状態】
短編。完結済。
【セルフレイティング】
なし。
【作品を見つけた経緯】
当作品でも以前ご紹介いたしました『富士山で一番最強なのは、ラーメンでした。』を読んだ後、他にもフィーリングが合うものがあれば読みたいなと探していたところ、こちらのタイトルが目に入り読んでみることにしました。
【ざっくりと内容説明】
コミュニケーション障害の少年のお話です。(ここでは作品の表記に合わせて、「障害」としております)
【感想】
タイトルを見たとき、「これはいい話なんじゃないかな?」と思ったのですが、やっぱりいいお話でした。
2,000字程度の短い作品ですし、タイトルからもどんな展開が待っているかもきっと想像できると思うので、今回は話の流れは割愛しまして、感想を中心に書きますね。
人は、誰しも得意不得意があります。それが大きくなっていくと障害になる(と、私は感じます)。世の中には見える障害もあれば、見えない障害もあって、理解されにくいものもあるでしょう。
この物語を読んでどう良かったのかとか、どういう感情を与えてくれたのかということを考えたとき、多分「自分そのもの」を受け入れてもらえたことと、「ありのままの自分」を見てくれる人がいることの嬉しさ……と言ったらいいのかな。しっくりくる言葉を見つけるのが難しいのですが、その二つのことがあったのがぐっと来ました。
タイトルにある通り「僕はそれで良いと思います」という一言によって、主人公は救われるわけですが、それと同時に、似たような境遇にある人たちは彼と同じような心境になったでしょうし、彼らに寄り添える優しい心を持っている人であれば「よくぞ言ってくれた!」と思うのではないかなと思います。
苦手なことや障害があっても、自分なりにできる範囲のことをやったらいい——。
もちろん、努力して克服できるのであればそれは応援しますが、でも、無理をする必要はないと私は思います。皆がみんな、何でもできるわけではありません。『僕はそれで良いと思います』に登場する主人公だって、コミュ障かもしれないけれど、それ以外の得意なことを活かして生きていけばいいと思うのです。
この世のなかで「それは難しいことだ」、「理想論だ」と言われるかもしれませんが、誰かが「僕はそれで良いと思います」と言ってくれたら、ずっと心は軽くなると思います。
何というか、せめて周囲の人だけでもいいから、不得意や障害があってもその人が持っている「得意」や「できること」に気づいて、寄り添ってくれたらいいなと思うような優しいお話でした。
気になる方は読んでみてください。
今日は『僕はそれで良いと思います』をご紹介しました。
それでは次回、またお会いしましょう。
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