第11話 『浅葱色の桜』 初音さん

〇作品名 『浅葱色の桜』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885795068

 

〇作者名 初音さん


【作品の状況】

 紹介文掲載時、連載中。


【作品を見つけた経緯】

 時代小説を集める企画を眺めていたら、こちらの作品と出会いました。


【ざっくりと内容説明】

 新選組のお話なのですが、主人公は島崎(近藤)さくらという女性です。

 きちんと歴史に基づいて作られており、今まで新選組について知らなかった人でも歴史を知りながら読むことが出来ます。



【感想】

 私はこの紹介文を書いている現在、この作品の「池田谷事件」のところである「68.ながい、ながい夏の日 ―夜(後編)」を拝読しています。


 私はあまり歴史に詳しくなく、新選組も「幕末の浪士による武力集団」として戦ったこと、主要メンバーに近藤勇、土方歳三、斎藤一、沖田総司がいたことくらいしか分からないのですが、それでも惹かれるものがここにあります。


 魅力ある登場人物たちは、ちゃんとそれぞれの個性が書き分けられていて、一人の人として立っています。それが物語をより深くさせ、彼らの戦いの意味を登場人物を通して感じられるところがこの作品の良い所です。


 また、緊迫感ある戦闘シーンも惹き込まれます。戦いのシーンとなると、描写が難しく、読者に伝わらない書き方をしている方も見かけるのですが、こちらは分かり易くかつ簡潔です。すっきりとした書かれ方をしているので、物語と戦闘シーンが剥離しておらず、流れるように読むことができます。


 そして、最大の魅力は「敵味方共に人として惹かれるものがある」ということ。戦乱の時代、自分たちが求める理想の社会像……と言ったらいいのでしょうか。

 それに誰もが命を懸けている。使命を果たすことが出来なければ、生きていても意味がないと、切腹をする。


 現代では考えられないこもですが、彼らが生きていた時代はそれほどまでに壮絶であり、必死にならなければならなかったのだということをひしひしと感じさせられます。


 作品の文字数が30万字ととにかく長いのですが、私は作者さんが用意して下さっていたダイジェストを読ませてもらい、そこから65話にすぐに飛びました(笑)

 最初は、キャラクターの性格など掴みにくいところはありましたが(途中から読んでいるので、当然ですけれども)、「67.ながい、ながい夏の日 ―夜(前編)」にくると、だんだん状況が分かってきて目が離せなくなります。


 主人公である島崎(近藤)さくらは、本当に男勝りで剣術も優れています。ちらっと「普段は男装をしているさくらが、島原で潜入捜査(?)をしていた」ということが書かれてあったのですが、男と変わりなく戦う彼女を見ていると、「女性」として戦っている彼女がどういうものだったのか見てみたくなるものです。


 結局、作者さんのダイジェスト作戦に乗って、全部読んでしまいそうですが、それもこれもこの作品にちゃんと魅力があるらだと思います。

 いい作品ですので、「長いから……」と敬遠せずにダイジェストからでも、是非お読みください!


 本日は『浅葱色の桜』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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