第41話 『ちょっと、残念なわたし。』 藤光さん

〇作品 『ちょっと、残念なわたし。』

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860566699380


〇作者 藤光さん


【作品の状態】

 エッセイ。連載中。(当紹介文投稿時)


【作品を見つけた経緯】

 藤光さんのエッセイを読むのは、これで2作品目です。前作に引き続き拝読しています。


【ざっくりと内容説明】

 カクヨムさんの話や、ご自身のご家族のお話。時々競馬の話が出て来るなど、多岐に渡り面白いです。


【先に謝っておきます】

 次の感想の項目が、「感想」よりも私の話がとっても長くなってしまったこと、先にお詫び申し上げます。


【感想】

「作品を見つけた経緯」でも書きましたが、こちらの作者さんのエッセイを読むのは2作品目です。前作に引き続き着眼点が面白く、楽しく拝読しています。

 ここから先は、『ちょっと、残念なわたし。』を読んで私が思ったことや考えたことを書いています。長くなってしまったため、3つの項目に分けました。もしお暇でしたら最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


<減っていく読者について>

 最近の作者さんは、カクヨムさんに色々な疑問点を投げかけていて、特に『第63話 カクヨムコンの結果発表で考えたこと』『第70話 カクヨムが我々に求めるもの』は、これは自分だったらどう思うか考えておいてみたいなと思った内容でした。


 私はこういう分析が苦手ですし、カクヨムさんに対して思うことはあっても、言ったところで変わらないだろうと思っているので、最初から考えることを放棄している部分があります。それを藤光さんのエッセイを通して、考えるきっかけがあるのは有り難いなと思います。


 特に気になったのが「カクヨム・ユーザーの減少」についてです。

 藤光さんの印象では、カクヨム・ユーザーが減っているらしく、星や応援を手に入れるのも容易ではないというようなことが書かれていました。(実際にそうであるかどうかは置いておくとして、「減っているように感じた」と思われたところが重要です)


 日本では本を読む人が減ってきていると聞きます。

 一方で漫画の売り上げは伸びているようです。漫画を無料で読めるアプリが沢山出ているくらいですから需要があるのでしょう。

 しかしそちらばかり読まれるのは少し困ります。カクヨムさんを通して世に出せる作品は、文字だけなのですから。


 どこで読んだのかは忘れてしまいましたが、「今の日本で漫画ばかり売れなくなっているのは、出版業界の怠惰が原因だ」と本を売る側(作る側)の人が言っていました。もしかすると本が売れていた時代は、放っておいても本は売れると考えていたのかもしれません。でもコツコツと対策を練らなかったために、今でも読書離れが進んでいるのは要因の一つなのでしょう。


 ただ、それだけが読書離れを促進させたとは思いません。

 どういう理由で本を読まないのかは人それぞれなので分からないのですが、私が考えられる理由は、子どものころに読書の体験が面白くなかったせいではないかと思います。夏休みの読書感想文の宿題は苦手な子にとっては苦行でしょう。苦手から嫌いになったら、それは手に取らなくなるのも当然です。今の若い世代はそういう過去を少なからず持っているような気がいたします。


 それは何だか勿体ないですよね。

 カクヨムさんでも面白い話を書いている方が沢山いらっしゃるので、読み手の方が上手くご自身の好きな傾向のお話と出合ってくれたらよいなと、藤光さんのお話を読んでいて思いました。



<作者さんの疑問が興味深かったので、勝手に調べました>

 他にも面白い話は沢山あります。

『第69話 47都道府県、書けるか?』は、作者さんの小学生の息子さんとのお話。社会の科目で「都道府県」を暗記しなくてはならないそうなのです。

 これを読んでいて私は思いました。「47都道府県言える(漢字は怪しい……)とは思いますが、絶対場所と名前が一致しない」と。

 場所、あんまり覚えていないのです。毎日天気予報で日本地図見ているんですけどね……。ちなみに鳥取県と島根県は新型コロナウイルスの感染者の発表で覚えました(ちょっと不謹慎)。最初のころ、この二つの県でほとんど感染者がいなかったので目立っていたためです。

 とはいえ、仮に47都道府県を言えても地図の位置と合わせて覚えていなければ、ほとんど意味ないですよね(笑)


 このお話を読んでいて思い出したのですが、私は子どものころ「大阪」を「大坂」(「阪」が違う)と書いて間違ったことがありました。そのあと暫く、何故「阪」と書くのか悶々と考えていたんです。

 調べてみたところ「阪」は元々「坂」の本字。つまり正式な書き方による漢字を「大阪」では使っているというころですね。

 子どものころはこんな風に調べられなかったので、もやもやしながらも「大阪」「大阪」って何回も書いて覚えていた思い出があります(笑)


 それから藤光さんが、

 >「媛」を「ひめ」と読むことが不思議でなりません。「姫」なら分かる、でも「媛」って。

 と、書いていらっしゃいました。言葉の疑問が書かれていると調べられずにいられない私。勝手に調べさせてもらいました(笑)


「媛」には「うつくしい。たおやか。ひめ。美人」という意味があるようです。

 成り立ちは「美女。人々がひかれるものである。『女』『えん』から構成される。『えん』は引く意である」とあります。(『全訳 漢辞海 第四版』より)


 確かに「媛」を「ひめ」というより「エン」と呼んだほうがしっくりきそうですが、身分の高い女性のことも「媛」というので成り立ちの経緯から「ひめ」と読むようになったのかもしれません。ちなみに「ひめ」という読み方は日本でしか用いられません。中国語だと「ヤーン」と発音し、日本の音読み「エン」に近いです。


 私は「媛」を「ひめ」と読むことに全く疑問を抱いたことがなかったので、他者の気付きから知識を深めることができるのも面白いなと思います。



<KAC2022>

『第41話 KACの結果発表があったようです』は共感できる内容でした。

 私は4年くらいカクヨムさんでお世話になっているのですが、KACにはこれまで一度も参加したことがなかったんです。理由はお題を出されて書くのがとても苦手だったから(最低600字でいいとはいえ、それは私の小説の書き方がそういう方法に向いていなかったのです)。


 しかし今年はいつもよりも時間に余裕があったことと、最初のお題でとりあえず作品が書けちゃったので自分を試すつもりで行いました。

 アイディアが出ないときは、持っていた書きかけのストックなどを利用して、自分のなかにある色んなものを絞り出して最後のお題までクリアしました。そのときの達成感は疲労はあったものの、やり遂げたという嬉しい気持ちがあり、これは確かにやった人にしか得られないものだろうなと思った次第です。

 ただ、そのあとに書けなくなっちゃったんです(達成感に感化され、他の方の添削作業を承ったことも要因かと思います……<笑>)。書けなくなることは今まで何度か経験してきましたが、久しぶりすぎると人はちょっと慌てますね(笑)


 でも、藤光さんが『第41話 KACの結果発表があったようです』で「来年のKACはちょっと考えます。あまりにも体力と精神力の消耗が激しいです」と書いていらっしゃったので、私以外にも疲労された方もいらっしゃったんだなと思って安心しました。

 こういうことを書いて下さると、書いている側の人にとっては勇気や心の支えになりますね。こちらのエッセイは物語を書いている方にとって、よい休息場所を提供して下さるように私は思います。


<最後に>

 藤光さんのエッセイもそうなのですが、カクヨムさんで投稿されているエッセイは面白いものばかりです。お陰で上記は紹介文ではなく、作品から得られた情報から自分語り(?)のようになってしまいましたが、読んだ人に影響を与えていることは間違いないかと思います。

 皆さんも『ちょっと、残念なわたし。』を読んで、共感したり新たなことに気づいたり、その他色々考えてみるのはいかがでしょうか。


 まとまりのない感想文で失礼いたしました。最後までお読み下さった読者の皆様に感謝申し上げます。


 今日は『ちょっと、残念なわたし。』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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