第93話 『半目勝負』 島本 葉さん

〇作品 『半目勝負』

 https://kakuyomu.jp/works/16817330654445109848

 

〇作者 島本 葉さん


【作品の状態】

 短編・完結済。


【セルフレイティング】

 なし。


【作品を見つけた経緯】

 当作品で、島本 葉さんの囲碁関連の作品を紹介した際に、「囲碁の別の作品を読みたいです」と書いたところ、作者さんに紹介していただきました。


【ざっくりと内容説明】

 囲碁の世界における、ギリギリの戦いについてのお話です。


【感想】

 島本さんの囲碁の作品を読むのは、二作目です。


 以前、当作品でもご紹介した際にも書きましたが、私が囲碁に興味を持ったのは『ヒカルの碁』(原作・ほったゆみ 漫画・小畑健)を読んでからです。

 そこから一応、子ども向けの囲碁が学習できるものを買って勉強してはみたのですが、どうも私には才能がないようで、さっぱり上達しません(笑)


 つい先日、子ども用の囲碁学習の内容を読んで自信が付いたので、PCに入っていた囲碁のゲームで遊んでみたんです。以前は、ちょっとやっただけで「あなたは負けました」と勝手に画面に表示されていたのですが、今度は出ません。少しは強くなったのかなと思ったのはいいのですが、自分と相手の差がどれくらいあるのかはさっぱりでして……。

 そのため、どれくらいPCとの差があるのかなと思って、途中でやめてみました。そしたら「あなたの312目負けです」と出るじゃありませんか。


 島本さんの作品『半目勝負』は、「碁石の半分の差が勝負を決める(一目の半分)」という意味です。私の312目って……。そのあと何度かトライしたのですが、300目以上の差しかつかないので、静かにフェードアウトしました(苦笑)


 話を作品紹介に戻しまして。

『半目勝負』というタイトルからは、囲碁の力が拮抗しているギリギリの勝負が伺えます。「半目」は先程も書きましたが、「一目の半分」。本当にわずかな差です。


 勝負を見ている側にとって、ギリギリの勝負というのは面白いです。力の拮抗。せめぎ合い。両者譲らずの戦い。それは見ているとわくわくします。


 しかし、戦っている側からすると、そのギリギリは苦しい。

 本文中にも書いてありますが、囲碁の世界で「半目」の勝負は「運」。もう少し差が付いていれば「実力」と割り切ることもできますが、たった「半目」だと納得するまで時間がかかるくらい苦しくて、悔しい差ということなんですね。


 勝負の世界のわずかな差は、「運」か「実力」か。

 それを上手く汲み取った作品です。気になった方は是非読んでみてください。


 今日は『半目勝負』をご紹介しました。

 それでは次回、またお会いしましょう。

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