第100話 『弊社の社長が逮捕されまして』 ゴオルドさん
〇作品 『弊社の社長が逮捕されまして』
https://kakuyomu.jp/works/16816700429346055712
〇作者 ゴオルドさん
【作品の状態】
短編・完結済です。
【セルフレイティング】
なし。
【作品を見つけた経緯】
ゴオルドさんの別のエッセイが面白かったので、また読んでみたいなと思っていたところ、この作品が「代表作」にあったので読んでみることにしました。
【ざっくりと内容説明】
タイトルにある通り、作者さんが勤めていた会社の社長が逮捕されました。そのせいで作者さんに色んな問題が降りかかってくる……というお話です。
一見怖そうな感じもしますが、語り口が軽く、ときどき面白いツッコミをされるので全く怖くありません。
【感想】
この作品は、作者さんが実際に経験したお話です。
当時の作者さんは二十代。すでに何度か転職しており、三社目に「探偵事務所」に入社します。そしてそれが事件の始まりなのですが。(探偵事務所だけに……)
「探偵事務所」に入社してから一年後、作者さんの携帯電話に警察と名乗る中年の男性から電話がかかってきます。
しかもどういう事情で電話してきたのかを聞きたくても、「詳しくはお会いしてから」としかいいません。会って話す場所も「あなたの自宅でお願いしたい」とのこと。
作者さんは女性で一人暮らし。警察を名乗る詐欺もあるので、偽物ではないかと疑います。
しかし、探偵事務所の事情にあまりにも詳しいということもあり、作者さんは自宅で警察官と話をすることになるのです。(肝が据わっていらっしゃる……)
そして、警察官から切り出されたのは、「おたくの社長が詐欺しているんです」という話でした。何となく納得してしまう作者さん。そして「この話は社長にはいわないで……」と警察官に言われるのですが、作者さん正義感の強い方で、社長に自首するように言ってしまうのです。さてさて、これからどうなってしまうのでしょうか。
この後、思いも寄らないことが次々と起きて、作者さんは部外者で被害者なのに、この事件のせいで色んな後片付けをさせられることになります。
社長は無事逮捕されましたが、ニュースになって事務所の電話が鳴りっぱなしに。しかも他の従業員は逃げたので、作者さんが放置された仕事のために留置所に行く羽目になります。
さらに、調書をつくるために警察署まで行かなくてはいけないですし、行ったら行ったで部屋が空いてないと言われて待っていたら、警察官の着替えを見ることになってしまいますし(……え⁉)、調書が不正確で何度か書き直してもらうし(なかなか簡単に終わらない……)、いつの間にか借金背負わされていたことを知ることになりますし(はい⁉)、社長の恋人に思いがけぬ浮気疑惑を掛けられるし(濡れ衣だー!)……と、とにかくすごいことばっかりです。
きっとご本人はとても大変だったかと思いますが、作者さんの心のツッコミが絶妙なので面白い話になっています。また、肝が据わっているといいますか、なんだかんだ言って色んなことを抜け目なく対応するところにも、すごさを感じました。
エッセイは色々ありますが、なかなか経験できないような話を読むのも面白いと思います。気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。
今日は、『弊社の社長が逮捕されまして』をご紹介しました。
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