第128話めでたい
エルフのソフィたちも村での生活に慣れ、カズキは高校生に成り学校に通い、ソフィは人間の姿で鍛治工房で、モンスター素材や魔石などの使い方を教えるアドバイザーに、ソフィの希望でエルフと言うことは秘密にした。
エルフの姿をジックリ拝見したかったが、基本耳の違いと神秘なところ以外は一緒なので美人だ。ただエルフが美人なのは、小顔なため目が大きく見え、バランスの取れた配置からくる物だと思う、しかも手足が長く細いためスタイルも良い、ただ胸の装甲が薄いところが残念。
ただ、一部のマニアには最高かもしれない。
脱線しましたが、シオンは高校教師に成って、ダンジョンに挑む冒険者の極意を教えている。
カズキくんはまだ食われていないが、着実に外堀を埋められ、一部からハーレム野郎と言われている。
学校でイジメられてないか心配に成るが、女子の多い学校では問題無いようだ、ただ水面下では天然の弟属性なカズキくんをめぐり、教師と女子高生の熾烈なバトルが繰り広げられていることを男たちは知らない。
シオンも魔族だモンスターだと言っていたが、グリフォンの子供たちにメロメロで、秀鬼たちとも普通に高校生たちをダンジョンに連れて行く時に同行して普通に話している。
妃鬼のお腹も順調に膨れてきて、予定だと2月には産まれるようだ。鬼人族は人間と違いとなんと、8ヶ月で産まれるらしい。
そんな冬のある日、最近はコタツで仕事をすることが定着して、コタツで仕事をしていると、一緒にコタツに入っていた恋花が、急に立ち上がり口を押さえて急いで出て行った。
気に成り、コタツから出たく無かったが、心配な気持ちが上回ったので後を追いかけた。
追い付くと恋花はトイレで吐いていた。
「恋花、大丈夫か?」
返事もできないようなので、背中を擦ってやる。
「恋花、大丈夫か、診療所に行くか?」
「なんか悪いもの食べたか?」
恋花は振り向き唖然とした顔で俺を見る。
「???」
「できたかも?」
「なにが?」
「赤ちゃん」
「‥‥マジ?」
「嬉しく無いの?」
「ふざけんな、嬉しく無い訳無いだろ、スゲー嬉しい」
「ありがとう」
「こういう時はどうしたら良いの?診療所に行く?」
「大丈夫だから、落ち着いて」
「ああ」
「朝食べた物を吐いて、落ち着いてきたから」
「横になるか?」
恋花を抱えベッドに寝かせると。
「新しく産婦人科の先生が来てくれて良かった、父や兄に診察されるのは抵抗有ったから」
「確かに、俺も母ちゃんに大事なところを見せるのは抵抗有るな」
「そんな単純なことじゃ無い、男と女は違うの!」
「すいません」
落ち着いたので診療所に連れて行くと、新しく来た女医さんが見てくれることに、診察室に一緒に入ると、俺は追い出された。
診察室から追い出されると、そこには館長こと義父とシスコンこと義兄がいた。
「雅也くん、恋花はいつからつわりを?」
「今日朝食を食べてから1時間後位に急に吐き出して、落ち着いたので連れて来ました」
「そうか、診察を待とう」
義兄は血走った目で睨みつけ、小さな声で。
「あんなに可愛い妹の純潔を奪いやがって」
(いやいや純潔って、恋花は初めてじゃ無かったよ、妹を美化し過ぎ)
そんなことをしていると、診察室のドアが開き、恋花が出て来た。
「妊娠5週目だって」
「お前、看護師なのに気がつかなかったのか?」
「だって、遅れることはよく有ったし、なんでお兄ちゃんに文句言われなきゃいけないの」
俺は義兄をどかし。
「恋花、帰って休もう」
「うん」
「館長、帰りますね」
「恋花、安静にしてなさい、お母さんにはわしから伝えておくから」
俺を睨みつけるシスコン義兄を無視して帰ることにした。
帰って来て直ぐに、何故か4人の義母たちと嫁たちが突撃してきた。
最初は皆喜んでくれたが、途中から、恋花の母以外が、自分の娘はまだかと言い出し俺にプレッシャーを与えてくる。
残りの嫁たちが、何かにこそこそ話しているが嫌な予感しかしない。
それでも皆な喜んでくれ、恋花を気づかってくれた。
その日から、俺の食事にやたらとにんにくや山芋など、普段と違うの料理が増えた。
しかも、夜の順番が彼女たちの意向で変わった、何やら体温を計り決めているようだ。
俺も子供は欲しいので我慢していたが、ついに事件が起こった。
夕食に揚げ物が出て、コロッケやメンチが皿に盛りつけられていた、俺の皿にだけ丸いフライが盛りつけられていたが、茹で卵入りのメンチと思い食べると、なんか鉄臭い白子のような味がした、あまりの不味さに吐き出そうかと思ったが、我慢して飲み込み食べ掛けを皿に戻した。
「雅也さん、それ我慢して食べてください」
「なにこれ?」
「良いから食べて」
「いやいや美咲、美咲が作る物はいつも美味しいけど、これは不味いよ、なんなのこれ?」
「食べたら教えるから食べて、精力剤だと思って頑張って食べて」
「そんなこと言われたらよけいに食べられないよ」
「「「食べろ」」」
仕方なくソースを大量に掛け我慢して食べた。
「本当になんなのこれ?」
「知りたい?」
「凄く嫌な予感しかしない」
「大丈夫よ、ソフィさん直伝の異世界の精力剤だから、しかも妊娠確率80%らしいわよ」
「そんな物食べなくても、自然に任せれば良くない?」
「ダメよ、誓ったでしょ平等に愛すると」
「でも」
「「「でもじゃ無い」」」
俺は恐くて聞けなかったが、俺が食べた物は、酒や薬草につけ込んで臭みを抜いた、オークの 睾丸だった。
へたれな俺は聞けないまま、食べ終え風呂に入ると、楓が突撃して来た。
背中を流してもらっていると、息子が元気に成り、そこからほとんど記憶が無い。
朝目が覚めると、楓、美咲、歩美がベッドで裸で寝ていた。
しかもベッドは凄い惨状、こんな恐いことに成るなら2度と食べない。
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