第103話立川クーデターの日
ドラゴンの事は気になるが夏祭りも無事に終わり、村は普段の生活に戻った。
マリアもどうなるか解らないドラゴンなんか気にしてもしょうがないと語っていた。
ただマリアが気になる事を言っていた。ドラゴンはそんなに他を襲う狂暴な性格じゃ無いと、ダンジョン内でコアに洗脳されているなら解るが、外に出て暴れているのはおかしい、しかも大きさから考えてまだ子供だと思うと。
ドラゴン達はダンジョンと共存関係を結び洗脳を受けないから、子供の竜単独での行動も不可解だし、過保護な古竜達がなにもして無い事も不思議だと話していた。
俺も気にしてもしょうがないので、元ウサギとスケルトンのダンジョンで改変の訓練を始めた。
水嶋さんは直ぐに感覚をつかみ、ダンジョン改変が出来るように成ったが、高梨さんは俺の教え方が悪いのか、草原は作れても果樹園や川が作れなかった。
森は出来ても実の生らない木ばかりだし、川を作っても流れない池に成ってしまう。
村のダンジョン内でなにが違うか観察して貰い、なんとかイメージを確立して、不安は残るが二人供ダンジョン改変が出来るようになり、元居た部隊に帰る事に成った。
ただし、最悪の事を考え、立川のクーデターが終った後帰る事に成った。
現在、ドラゴンは新宿で、モンスターを狩ったり、高層ビルを壊したりで怪獣映画さながらの行動をしているらしく、近隣に逃げ惑うモンスター達により、近隣の避難所にも被害が出ているらしい。
ドラゴンは特にワイバーンを襲っているらしく、逃げたワイバーンを追うドラゴンが羽田空港に現れ、避難所の住民達は地下に逃げ死傷者は出なかったが、滑走路やターミナルが破壊され、当分飛行機の離発着は出来ないので、羽田空港を放棄する事に成ったらしい。
その後、ドラゴンは六本木の高層ビルの屋上で休んでいる事が衛星で確認できた。
東京にドラゴンが住み着くなら、本部を立川に移転は延期するしか無いだろうと横田の八牧さんは肩を落としていた。
ついに立川クーデター実行の日を迎えた。
その日の夕方に激しい雷雨が立川を襲い、何かを暗示してるような嫌な感じがした。
しかし俺は作戦に参加する訳では無いし、見守る事しか出来なかった。
俺達は自衛隊から送られて来る情報を聞き入った。
午前4時作戦は決行された、武器庫や首脳部を押さえ、作戦は成功と思われた時、まさかの展開が起きた。
虐げられていた筈の一般人の男達が反撃に出た、クーデター派もまさか一般人が反撃に出るとは思わず混乱に陥った。
銃撃戦になり負傷者も出始めた為、クーデター側も重く見て話し合いを求めるも。
自分達は今更政府の庇護を受ければ、これまでの行動が全て間違いだった事になり、強制的では有ったが自分達も罪を犯した、更に家族が虐げられる事になるから受け入れられないと籠城作戦を取り出した。
交渉を重ね朝を迎える頃、政府から虐げられた人達には罪を問わない事等の恩赦を与え、事態が収束し出した頃、東の空からワイバーンが現れた。
どうやら近くに居たワイバーンを銃撃戦の音で呼び寄せたらしい。
しかも運の悪い事に籠城していた場所が地下施設から離れた場所に有り、住民を逃がす為にワイバーンと戦うしか無かった。
立川の人間ではワイバーンを倒す事は出来ない、待機して居た村の自衛隊員に出動要請が来た。
ドラゴンはまだ、六本木に居るのでワイバーンのみを排除と言う事で、俺達もグリフォンに乗り向かう事にした。
しかし、命令が混乱する中、百里基地からワイバーン迎撃の為にF-35Jが2機発進していた。
しかも同時刻、日本海を高速で飛ぶ50㍍級のドラゴンがイージス艦に捕捉されていた。
なにも知らない俺達はグリフォンで、自衛隊員達は車輌で立川を目指していた。
其々が向かう立川でなにが起こるかは誰も知らない中、運命の針は刻一刻と進んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます