第102話夏祭り②
日がゆっくりと沈み、提灯に明かりが灯され、太鼓の合図で盆踊りがスタートした。
皆、櫓を中心に踊るが、俺は輪に入れなかった。
だって盆踊りなんて小学生以来だよ、しかも踊った経験なんて無い、踊り方も解らないしちょっと恥ずかしい。
「手を引っ張らないで、今日は見学で明日踊るから」
無理矢理踊らされて、教えて貰うが。
「手をもっと大きく振って」
「ひきつった顔しない」
「頑張って、雅也さんが踊らないと男達が踊らないでしょう」
「きょろきょろしない」
(彼女達が指導すると必ずスパルタに成る)
結局3曲踊らされて、人が増えて来たので、本部に避難。
俺は浴衣を着せられたが、なんで皆甚平着てるの、甚平の方が楽そうで良いな。
俺は、若い男達が集まって居る所に逃げ込み酒盛をすることにした。
酒の肴は勿論浴衣の女性達だ、世界がどうなろうと男は変わらない。
誰のスタイルが良いとか、うなじが綺麗とか、とても女性達には聞かせられない話も沢山です。
でも、なんだかんだ言っても皆楽しんでくれている。
小腹が空いたので彼女達を誘い、職人達が作るウサギ南蛮蕎麦を食べていると、女子高生の集団に囲まれた。
しかも、祭りだからと高校生達にも、ビールと酎ハイは許可したけど、この女子高生達酔っぱらってる。
「村長、奥さん達と何処で出会ったんですか?」
「夜はどうしてるんですか?」
「嫉妬したりしないんですか?」
「5人で一緒に寝たりするんですか?」
(なんだこの容赦の無い質問は)
俺だけでも逃げようとすると、恋花と歩美に腕を掴まれあえなく脱出失敗。
俺って、野獣の様に思われていたのね、普通の人間の俺が複数プレイをするスキルなんて有りません。
酔っぱらっいの彼女達の好奇心に、恥ずかしくて逃げたいと思っていたら。
「大曽根さん、自衛隊から連絡が入ってます」
「解った、すぐ行く」
(助かった、自衛隊が救助に来てくれた)
俺は一人、無線の置いて有る本部へ。
そこには深刻な顔をした人達が、話を聞くと日本海で韓国軍と体長約25㍍のドラゴンと戦闘中。
今は韓国軍のイージス艦を大破させ、いずも型護衛艦の甲板を一部破損させ、なお現在能登半島方面に飛行中。
自衛隊はドラゴンを攻撃しなかったので損害は軽微だが、朝鮮半島はかなりの被害が出ている。
ドラゴンはかなり高温の炎を吐くらしく、韓国軍のイージス艦は一撃で大破したもよう。
砲撃や対空ミサイルが当たっても、痛がる素振りは見せるがほぼ無傷らしく、近代兵器では傷1つつけられなかったそうだ。
政府から無線でドラゴンを見かけても攻撃しないようにと、各地に注意喚起を入れている。
しかし、神戸大阪の一部の反政府組織に連絡が取れないので、攻撃だけはしないで欲しい。
アメリカを攻撃したドラゴンより小さいが、上陸されたら日本も火の海にされてしまう。
政府としても、台風の様に過ぎ去るのを見ている事しか出来ない。
俺達もどうする事も出来ないので、そのまま祭りを続けた。
石川姉弟にモンスター素材で作って貰った、バリスタ等がドラゴンに効くか不安だが
結局、夜遅くドラゴンは上陸して黒部ダムの黒部湖で水浴びをして、山頂で休んで居るようだ。
今のところ、攻撃を受けた地域も無いので、早く何処かに行ってほしいと願う事しかできず、人類にとっては厄災でしか無い。
ドラゴンは翌日も山頂で動かずに休んでいた。
俺達は翌日も無線から来る情報を確認しながら、予定通り夏祭りを開催した。
夕方には自衛隊員やマリアも戻って来て、マリアから合格を貰ったので、明後日からウサギとスケルトンのダンジョンを使い改変研修をする事にした。
ドラゴン上陸から4日目、休んでいたドラゴンが、松本方面に飛行を開始した。
ただ、日本海で飛んでいた速度より、かなり速度を落として飛行しているようだ。
4日後にはドラゴンと言うイレギュラーな問題は有るが、立川の計画は予定通り行われるようだ。
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