第122話函館奪還作戦③
ついに函館奪還作戦が開始された。俺たちは函館を囲むように配置され、自衛隊員や探索者からモンスターに影響が無い位置から、作戦開始と同時に取り囲む形で9方向からモンスターを追い込む作戦。
基本的に自衛隊員や探索者は、隠れて逃げようとするモンスターの撃退が任務だが、俺は強いモンスターが出た時のために遊撃隊で参加する。
朝10時、作戦開始。
各自無線で連絡を取りながら、追い込み漁の要領でダンジョンに向け進軍を開始した。
俺はアイリスに乗り上空から状況を見ているが、モンスターたちが逃げ惑う光景が見える。
ゴブリンが逃げ惑うモンスターに踏み潰されたりしている光景を見ると最弱モンスターなのがよくわかる。それでもゴブリンは多い。
そんな光景を眺めていると、無線が入り、包囲網から猿のモンスターが逃げ出したと連絡が来た。
救援に向かうと、後方で構えていた探索者たちが戦闘をしていた。
弓や小銃で倒した、多数の死骸が見えるが、数が多いため倒しきれず、今は接近戦が行われている。
外側で待機していた探索者たちはまだ新人らしく、猿たちに翻弄され苦戦している。
俺は猿の群れの真ん中に降り、アイリスは上空から探索者の援護に回ってもらった。
俺は強化された体で聖剣を1回転して斬りつけると、今の俺には抵抗も無く6匹の猿を真っ二つに斬り殺した。
アイリスも探索者の援護に入り、探索者を助けていた。探索者たちも事前にドラゴンや幕僚長に貰った鞍を着けたグリフォンは、味方だと伝えられていたから、攻撃することは無かったが、アイリスに声を掛けられ、フリーズする探索者が続出した。
それでも、俺たちが来たことで、群れの勢いも無くなり、探索者たちも持ち直し猿の群れを壊滅させた。
俺は怪我した探索者にポーションを渡し治療していると、探索者たちに感謝され、数は少ないが女性の探索者から黄色い声援も聞こえた。
「あの人、強いね」
「私、助けてもらっちゃった」
「きゃー、良いなー」
そんな会話をしながら近づいて来る女性たちにアイリスが一言。
「この人、既婚者で奥さんが4人も居ますよ」
それを聞いた探索者たちは、一瞬フリーズするが、俺は探索者たちに次第に白い目で見られ出した。
「ここはもう、大丈夫だな。アイリス次に向かうぞ」
俺はアイリスに跨がり、その場から逃げた。
「アイリス、余計なこと言わないでくれ」
「浮気したら奥さんたちに言いつけるよ」
「‥‥浮気なんかしないよ」
「ホントに、まんざらじゃ無い顔してたよ」
「ちょっとくらい、チヤホヤされたいじゃん、別に浮気する気はないけど」
「そんなこと言って、女性が本気で来たら断れない性格なんだから、浮わついていると大変なことに成るよ」
「‥‥はい、気をつけます」
「解ればよろしい」
(俺って、かなり強いはずなのに、女と付く生き物に勝てる気がしない)
強いモンスターは逃がして無いが、弱いモンスターが逃げ出し新人探索者たちの援護に忙しく回ることになった。
そんな仕事に追われ忙しくしていると、ドラゴンたちは怪獣が市街に来たかのように、建物などを破壊しながらモンスターを追い込んでいた。
同行する新撰組と自衛隊員は、半分あきれながら、ドラゴンに細かい配慮を求めても無理だと納得した。
それでも、恐竜のようなモンスターやキメラクラスのモンスターを、簡単に倒して行った。
ダンジョンまで2キロまで追い込むとそこは、モンスターが溢れ、モンスターどうしで殺し合いが起きていた。
特に大型のモンスターが逃げた後は、踏み潰されたモンスターの地獄絵図が広がっていた。
モンスターが多すぎてイライラしだしたドラゴンたちは、威力は押さえているが、ブレスを吐き出した。
同行してる自衛隊員たちは、復興が大変になると、頭を抱えていた。
でも、ドラゴン無しでこんな大量なモンスターを相手にできないとドラゴンに感謝していた。
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