第74話病院資材回収
新たな村人を迎えた日は家族の再会を優先し、翌日から仕事の分担やルールを説明することに。
ただ、恋花の兄、駿介が俺に絡んできます。
館長に咎められても、妹を守るのは兄の努めと、終いには道場で俺に勝負を挑んで来ました。
結果は火を見るより明らかだ、現役でダンジョンに挑んでいる俺と、病院に医療に従事していた駿介とは勝負にすら成らなかった。
そんな落ち込む駿介さんを優しく労る看護士の彼女を見て。
(良いなー、俺は4人も要らないから、優しい彼女が欲しいよ、何故4人集まると性格がキツく成るのか、一人の時は優しいのに、普段から優しくしてくれても良いのに、今も駿介さんの彼女を見ていると4人の目が怖い)
それから、皆で酒を飲んだら、俺に絡むのか解った、この人は重度のシスコンだ、涙声で恋花はお兄ちゃんお兄ちゃんと後を追い掛けて来た、可愛い妹がーと叫んでた。
両親は生温かい目で、恋花は妄想だーと兄をしめていた。
ちょっと彼女さん、引いてるけど大丈夫?
門下生は何時もの事らしく、誰も気にしない。
翌朝、母家で朝食を食べていると、駿介さんが突撃して来た。
(朝から勘弁してよ)
しかし、駿介さんは
「医療機器の充実させたい、病院に回収に行きたいから手伝って欲しい」
歓迎会の準備で忙しい、美咲の代わりに館長を連れて、俺と駿介さん、館長、恋花、歩美、楓で、回収に行く事に、マリアも今回は居残り、子虎と子猪達を連れて、ダンジョンの低層で狩りの練習らしい、歩美がそっちに行きたがったが、恋花と楓に両脇を抱えられて、WAPCに乗車。
駿介さんが勤めていた、大学病院や近隣の大きな病院を回る事にした。
最初に来た、大学病院はバリケードが残っていたので、中は荒らされておらず、問題無く資材を集める事が出来た。
ただ、病院内は暗く薬品の臭いが充満していて、ゾンビでも出てきたら、パニック映画その物の光景だ。
手術室の中から簡易型CTや機材、テント形手術室等、最新式の医療機器を回収する事が出来た。
その後も酸素ボンベやベッド等を回収し、近隣の調剤薬局からは薬剤を回収した。
次に向かった病院はオークの巣に成っていて、諦めようかと思ったが、先日の話でオークは美味しいらしいと聞いたので、俺が狩りたいと話すと、女性達は反対したが、館長が食糧の為だと一喝して狩る事に。
しかし狩り始めると、戦闘狂、
「オークは女の敵だー」と片っ端から抹殺いて行く彼女達を見て。
「お前のせいで、妹はあんなに成ってしまった」と叫ばれた。
(いやいや、俺が初めて会った時からあんな感じだったよ、声に出して言わないけど)
駿介さんは今回の戦闘は館長の判断で見学なんだけど、俺は背中に殺気を感じていて、やりにくい。
しかし、バーサーカーと化した彼女達は100体以上のオークを狩っても止まらず、俺はオーク拾いをしていると、彼女達の足が止まった。
病院の高い天井に頭が着きそうな程大きな大剣を持つオークが現れた。
「お前ら下がれ、俺が殺る」
「解った」
「了解」
「解ったわ、援護する」
俺がオークに向かい走り出すと、オークは大きく低い声で威嚇して来るが、俺は気にもせず、オークを横一文字に斬りつける、しかしオークの動きも早く、皮一枚斬られるだけで、避けた。
オークは怒り、剣を振り回し、剣と剣の打ち合いに成るが、聖剣と打ち合っているのに、オークの大剣は刃こぼれ一つしていない。
しかし、スピードの勝る俺が、段々とオークに傷を与え、膝裏を斬りつけ、体勢が崩れたところを首をはねトドメを刺した。
俺は振り返ると、彼女達に怪我して無いか全身を調べられ、駿介さんからは、今までと違う眼差しで見られた。
オークと大剣を回収し、この病院の資材を回収し、流石に疲れたので、今日の資材回収はここまでとして、村に戻る事に。
帰りの車の中でも、駿介さんが俺を責める言葉は無く、俺は良かったと思っていると、村に着いて母家の温泉に、俺と館長と駿介さんとで入っていると、駿介さんが突然。
「認めてやる、ただし、恋花達を泣かせたらメスであそこを切り落とすから覚悟しろ」
捨て台詞を残し、風呂から出て行った。
館長は笑顔で
「孫は何時だ、早く抱かせてくれよ」
「・・・・」
(えっー、まだ結婚してませんよ、まだ早くないか?)
何故かスッキリしない風呂を出て、朝から準備していた、歓迎会に参加した。
歓迎会は先日頂いた、魚介類で手巻き寿司で、新たな移住者も豪華さに驚いていた。
マリアとグリフォン達には今日狩ったオークを与え、子虎と子猪達はちゃっかり皆から手巻き寿司を貰っている、シルバも奥様達に手巻き寿司を貰い、プルプル喜んでいる。
ちなみにオークの解体は女性達は拒否したので、男達の仕事に成った、オヤジ達が酒を片手に見本を見せてやると息巻いたが、
食事中にするなと奥様達にしめられ、今日も平常運転な宴会もようだ。
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