第80話式の翌日
朝目覚めると、頭が痛い、気持ち悪いのコンボに見舞われた。完璧に二日酔いだ。
しかし、そんなことは気にしない4つの影が。一つは俺の左腕を枕に、俺の顔をじーっと見てる。もう一つは俺の上に乗り、もう一つは右側から熱い口づけを、もう一つは部屋を物色中。
「頼むから、二日酔いなんで大人しくして……アポロ重いから退いて……アナトは顔を舐めないで……太陽、ボールはこの部屋には無いから……雪は大人しくって偉いね」
昨日は一人で寝たはずなのに、なんで毎朝俺の部屋に?
昨日は彼女たち4人とも相談して、この日に誰か一人を選ぶとわだかまりが起きる恐れがあったので、一人で寝た。
さすがに4人一緒になんてあり得ないし、彼女たちだって羞恥心はあるだろう。エロオヤジたちが言うようなことなんてあり得ないのだ。
さっぱりしたくて4匹と風呂に入ろうとしたら、アポロとアナトと太陽は逃げた。
梅雨明けして暑くなってから、風呂を嫌がるようになってきたな。でも狩りに行った帰りは捕まえて風呂に入れている。
雪は俺と入る風呂が大好きだから、俺が一人で入っていても入ってくる。
後、最近は彼女たち4人も結婚するんだからと入ってくる。風呂ではなにもしませんよ。心頭滅却でのりきります、息子が。
さっぱりしてリビングに行くと、3体のゾンビが唸っていました。
「もー、お酒なんて飲まない……」
「私もお酒止める~」
「あー気持ち悪い……」
美咲以外はゾンビと化し、ソファーでもぞもぞ動いてる。
「ほら皆、梅粥作ったから、食べて」
「囲炉裏じゃなくてソファーで食べたい……」
「「私も」」
「甘えない。雅也さん、ほっといて二人で食べましょう」
「うん。美咲は二日酔い大丈夫か?」
「私は自分の適量しか飲まないから」
俺たちが二人で食べ始めると、匂いに釣られて3体のゾンビが這ってきた。
付き合う前はこんな姿見せたこと無いのに、なんか嬉しいような悲しいような……まっ、こんな姿も可愛いから許す。
俺はグリフォンたちが気になるので、草原ダンジョンに向かう。
草原ダンジョンに入ると、マリアと1頭のグリフォンがなにやら話していた。
俺が近づくと、6頭のグリフォンたちは俺の前に並んだ。
「おはよう、昨日は見回りありがとうね」
「主のためなら、何でもありません」
「なにか不自由してない?」
「ここは最高です。水浴びできる池もあるし、安全で快適です」
「そう、良かった」
「ここならまた子作りができます。それと名前は考えてくれましたか?」
(考えましたよ、酔っ払った頭で。雄が1頭で後は牝だったか。にしても6頭分はきつかった。どっかの六つ子の名前にしようかと思ったけど、あれは全員男だしね)
「先ずは、アポロのお父さんはゼウス、お母さまたちはアインス、ツヴァイ、ドライ、フィーア、フュンフだ、どうかな?」
どうやら気に入ってくれたみたいだ。ゼウスはゼクスにしようかと思ったが、それだと全員ドイツ語の数字だから、お父さんだけアポロにちなんで変えた。
アポロたちの捜索で疲れているだろうし、明日はグリフォンたちを村の皆に紹介するから、今日はゆっくり休んでもらうことにした。
マリアが先輩として、村のルールを教えてくれるらしい。
赤ちゃんグリフォンたちは初めて見る大きなグリフォンに最初は戸惑っていたらしいが、孫が可愛いのかグリフォンたちが赤ちゃんグリフォンを可愛がっており、すっかりなついていた。
ダンジョンを後にして母家に向かうと、宴会会場にはたくさんのゾンビと、それを使役するご婦人たちの姿があった。中には男子高校生の姿も。未成年には飲ますなと言っておいたのに、誰だ飲ませたのは。二日酔いの男子高校生をキリキリ使役する女子高生の姿が見受けられるぞ。これで完全に立場が決まったな。頑張れ男子高校生。
この村では女に逆らっては生きていけないからな、オヤジたちを見てみろ。上手く手の平で転がされてるだろ、目指すはあそこだ。
オヤジたちは尻に敷かれているようで、実に上手くご婦人たちを働かせている。オヤジたちからその話を聞いた時にオヤジが騙されてると思ったが、あながち間違いではないような気もする。
それはさておき俺は今日、完全にお休みなので、母家でゆっくりすごす。
ところが、復活した彼女たちが手ぐすね引いて待っていた。リビングでいちゃいちゃするのはいいけど、熱いし薄着だしでモンモンとしてしまう。あんまりくっつくと4匹も乱入するから……ほら言ってるそばから来たよ。
なんか天国なのか地獄なのか、解らないけど、暑くてムシムシする。
4対1じゃ勝てないけど、夜のタイマンで逆襲してやる。
というわけで、最近は村も平和だな。皆最近平和ボケしてないと良いが。でもゼウスたちが来た時は、避難も防衛も問題無かったから大丈夫かな。これならドラゴンが来ない限り大丈夫だろう。
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