第81話スケルトンダンジョン攻略①


俺たちは今、スケルトンダンジョンに来ている。




最近スケルトンダンジョンに訪れる人が減り、スタンピード対策もかねて攻略することにした。




ただ、メンバーに問題が。俺と新撰組の4人とシルバはいつものメンバーなんだけど、攻略するならマリアも行きたいと言い出し、グリフォンたちも主を守るのは我らの務めと言い張るので、一緒に行くことになってしまった。




問題は過剰戦力過ぎて困ってしまうことだが、とりあえずグリフォンがダンジョンまで乗せてくれることになった。




そうなるといきなり背中に乗って行くなんて怖くてできないので、村で練習してからになった。




俺はゼウスではなくアインスに乗ることにした。というのもグリフォンの雌たちからゼウスに乗るのは止めた方が良いと忠告されたからだ。言われてみると確かにゼウスはちょっと動きが激しいからね。そういうわけで、ゼウスには遊撃を任せるとおだて、やる気にさせてなんとか誤魔化した。彼が主は俺が乗せるとやる気になっているのを納得させるのは大変だった。




練習を開始したものの、裸馬ならぬ裸グリフォンには鞍も鐙も無いから、結構安定しない。鞍を着けようとしたが、グリフォンたちが飛びにくいと嫌がり、鞍は諦めることにした。




何度か練習することで、どうにか乗れるようになったが、降下する時にまるでジェットコースターのように下半身がすーとするのは慣れない。




ラノベだったなら簡単に乗れるはずなのに……。2日間掛けてなんとか乗れるようにはなったが、まだグリフォンたちは本気のスピードは出していない。




一度本気で飛んでもらったら、死にそうになりましたよ。たぶん生身でソニックウェーブ体感した人間は居ないだろ。ただ俺も体感した記憶は無い。恥ずかしながら気絶したので。




そういうわけで、グリフォンたちには本気で飛ぶのは控えてもらった。音速を超えると衝撃波の被害も出るので。




それから、安全のためにもし俺たちが落馬ならぬ、落グリフォンした場合、ゼウスに助けてくれるように仕事をお願いしたのでちょっと安心。




準備に時間が掛かったが、無事に出発する段になった。しかしマリアが飛べないため、ダンジョンで待っているよと話してから出発した。




グリフォンから下を見ると凄いスピードで走っていく姿があった。帰りはマリアに乗って帰ろう。マリアはちょっとお尻が痛くなるが、一生懸命走る姿がなんか寂しそうに見える。




勿論先に着いたのはマリアで、遅かったなって雰囲気を醸し出してる。




俺たちは装備を整え、ダンジョンに入ることに。




しかし、ダンジョンに入るもマリアとグリフォンたちで、出てくるスケルトンを争うように狩りまくり、俺たちはただのダンジョン散歩になっていて、仕方なく石川姉弟に頼まれた骨だけを回収している。




10階層主でさえ瞬殺で、俺たちはなにもすることが無い。たぶんマリアとグリフォンたちならかなりレベルの高いダンジョンも攻略できるかもしれない。




でも最近は色々な地域で、人間がダンジョンからモンスターを狩って食糧の確保してるみたいだから、勝手に攻略はできないな。それに都市部近郊は、縄張り争いに敗れた大人しいモンスターが逃げてきているから、食糧には困らないだろう。




しかも、ゴブリンとオークは繁殖力が高いのかどこにでも居るし、最近はオークも美味しく食べるようになったから、オークは人類の食糧問題解決には欠かせない。




ゴブリンも研究されているらしいが、人間が食べると腹を壊すらしく食べられない。肥料にもならないらしく、なんの役にも立たない。




一部では、役立たずの事をゴブリンと呼んでいるらしい。アイツは本当にゴブリンだよなとか。




余計なことを考えながらも、ダンジョン攻略は進んでいく。




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