第140話勇者


俺は今、勇者に会うために立川基地に来ている。




最近、俺の護衛と言いつつ付いて来る秀鬼と供に、本当は異世界コンビを誘ったのに学校が忙しいと断られた、最近じゃすっかり教師してるみたいです。




ドラゴンコンビも誘ったけど、こちらは予想通り「めんどくさく」一言で終わった。




案内され会議室に入ると、勇者一行が椅子に座っていた。




「そいつは魔族だ」




剣を抜いて騎士と勇者を先頭に臨戦体制に入る。




「待て待て、異世界はどうか知らんが鬼人族はここでは味方だ」




「嘘だ、魔族はオーガを操り人間を襲う」




「異世界では知らんがなんで決めつける、人間だって良い奴も居れば悪い奴も居る、話のできる相手なんだから話してから判断すれば」




勇者は騎士を制止して椅子に座った。




「すみませんでした、私は前園裕美です元々は岩手県で高校生してました」




(へっ、女の子だったの、髪はベリーショートで浅黒く、細マッチョでイケメン男子かと思った)




「あっ、大曽根雅也です、こちらは連れの鬼人族の秀鬼です」




勇者一行は勇者に騎士2人と巫女と魔導師の5人だ、一瞬ハーレムパーティと勘違いしたのは内緒だ。




残りの4人の名前も聞いたが、長いカタカナの名前で覚えられなかった。




話を聞くと、前園さんは学校帰りにいきなり聖マウリカ皇国に召還された。それで話を聞くと魔族が隣の国と手を組み聖マウリカ皇国を襲っている助けて欲しいと頼まれた。




そこで正義感の強い前園さんは手伝うことにした。




「前園さん、急に拉致されて信じたの?」




「えっ、勇者ですよ漫画とかでも有るじゃないですか、勇者は悪と戦わなければ」




「召還された時、神様に会えました」




「会えませんでした、でもチートは有ります、レベルアップが人より速いのと魔力が高いです」




「魔法使えるの?」




「ダンジョンを出たら使え無くなりました、地球は魔素が薄いみたいです」




やっぱり地球はまだ魔素が薄いのか、でもクレアが言ってたがダンジョンから魔素が漏れ、地表に浸透すれば何時かは魔法が使えるようになると言ってたな。




それから、2時間くらい話を聞いたが、聖マウリカ皇国は多分勇者を戦争兵器にしようとしてた。召還事態も初めて成功したようだし、どうやら天使を召還したかったようだ、巫女は前園さんを天使様と呼んでいるしな。まっ俺は関係無いし、岩手県の両親も生きてるようだし、岩手で仲良く生活してくれ。




でも、その召還がこの事態を起こしていたら洒落にならないぞ。




それで勇者は強いのかと言うと、まだダンジョンの50階層に行けるくらいで強く無い。




総理は期待しているが、自称勇者の前園さんは地球じゃ魔法も使えないし、ステータス更新の魔道工も無いから、あまり戦力にはならない。




「総理、なんで俺を呼んだですか?」




「いや、異世界の情報を詳しく知りたくて、こっちでも事情聴取はしてるけど、違った角度からの意見も聞きたいし、異世界の話を知りたいでしょ?」




「あれ、言ってませんでしたっけ、うちに2人異世界人居ますよ」




「えっ、聞いて無いよ」




「2人異世界人がいて、ポーションの研究と高校でダンジョンやモンスターの対策を教えています」




「大曽根くんのところは何でも有りだね、まさか宇宙人なんか居ないよね?」




「居ませんよ」


(エルフなら居るけど、本人が隠したがっているから内緒)




「ところで総理、前園さん拉致の時期とダンジョンの発生した時期が重なるようだが」




「その点は正確には解らないが、何らかの関係があるのかも知れん、ただ今の科学じゃ検証することもできない」




「他にもダンジョンから異世界人が発見されたことは無いのですか?」




「解らない、大曽根くんのところに居る2人も知らなかったし、居るかも知れないが隠れてしまったら解らない」




「そうですよね、取り合えず前園さんはどうするんですか」




「監視は付けるが、両親の元に帰さない訳にはいかないから帰すが、異世界の情報を聞かなければならない。ただ今のところ異世界人の4人はあまり喋ってくれない」




「拉致した国の人間ですからね」




「ああ、どうしてこう問題ばかり起きるんだよ、大曽根くん総理大臣をやってみたくない?」




「嫌ですよ、俺はのんびり生活できれば良いので、それに子供が4人産まれる予定ですから」




それから総理と色々話してから村に帰ることにした。




総理はいまだにアメリカと交渉を続けているが長い交渉なるだろうと話していた。








勇者side




やっと日本に帰ってこれた、まだおとうさんおかあさんに連絡が着かない、生存は確認取れて安心したけど、会えないと不安。




しかし、ダンジョンでスタンピードにあってダンジョン出たらジャングルだし、食糧はアイテムボックスに入っていたのと、魔物と動物でなんとかしのげたけど、もうジャングルは絶対に嫌、虫は居るし魔物は気持ち悪い。




しかし4人には悪いけど、地球に帰ってきた、2度と帰れないと思っていたけど良かった。




4人にアイテムボックスのことと聖剣のことは話しちゃダメと言われてるけど、本当は話したいんだよな、私の代わりに4人が帰れないのだから日本に恩を売れば良いのに。






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ダンジョンが出現して世界が変わっても、俺は準備万端で世界を生き抜く ごま塩風味 @Yuusuke-21

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