第118話ポーションができた


あれからアメリカからはなにも言って来ない。ちょっと脅し過ぎたのかと思うが、別にアメリカと関わりたく無いので気にしないことにした。




ダンジョンマスターレベルか上がり、村のダンジョンを改造した時に、畑も広げようとしたら、充分すぎると断られたので、草原ダンジョンを広げて、家畜も増えたので、牧場を広げ、牧場で働く人のための家と養鶏場の建設を沖田の親方にお願いした。




それでも草原だけだと寂しいので、ついでに森も造った、2km四方なんで森と言うより林かもしれない。




それと、モンスター作成能力で、スライムとウサギを造り、スライムは牧場でウサギは森に。




スライムは家畜の糞などの処理を命令し、ウサギは森で自由に放し飼い。




スライムたちは人を襲わなかったが、ウサギは俺以外を襲うので、今後増やさないように消そうと思ったが、マリアから子供たちの狩場にすると言うことで残すことにした。




オークも作ろうとしたら、生きたオークは気味が悪いと却下された。




確かに今は近くのダンジョンからオークがたくさん獲れるから要らないか。




そんな感じで充実させたら、美鬼が森で薬草を見つけてきた。




美鬼はなんと薬草とモンスターの魔核からポーションが作れると言ってきた。




鍛冶場で大量に山積みされて、ただの石ころのように扱われてきた魔核にやっと脚光が浴びる日がきた。




早速作るところを見せて貰うと、乳鉢で魔核を砕き粉にして、薬草をよく洗い、根も茎も葉も細かく刻み、乳鉢で磨り潰しながら水を加え、それを鍋で煮詰めながら魔核の粉を加え、浮いてくる灰色の泡(灰汁?)を掬い取り、冷ましてから濾したら出来上がり。




見た目は薄めの青汁、ちょっととろみの有る液体が出来た。




「美鬼、これは腕とか欠損しても元に戻る?」




「ポーションにそんな効果は有りません、多少の傷くらいです」




「そうなんだ、でも掛けたらたちまち治る?」




「浅い切り傷なら直ぐなおりますが、深い切傷は直ぐには治りません。傷口をよく洗い消毒しなければ使えませんから、多少の殺菌作用は有りますが、傷口に付いた不純物を取らないと体内に残るので」




「飲めば傷が治るんじゃないの?」




「刺されたりした時は飲みますが、それは体内から傷を治すためで、余程のことが無い限り飲みません、それに苦過ぎて飲めませんよ」




「飲むポーションも有りますよ、ブルネイのダンジョンで取ってきた毒消し草を使った毒消しや、体の免疫力を高めるポーションなど有りますね」




そんな話をしていたら、遊びに来ていた男の子が転んで擦りむいた。




俺はじっ‥じゃなくて治療のために、美鬼に使って平気か確認してから、男の子の膝を消毒液で消毒して、膝に少量のポーションを掛けた。




男の子は消毒液を掛けた時はしみるのか痛がったが、ポーションを掛けると痛みも無いのか膝をじっと見ていた。




ポーションを掛けた膝は傷のところだけ細かい泡が出て、収まると美鬼が膝をタオルで拭いた。




男の子の膝をよく見ると、傷が有った部分をよく見るとピンク色の新しい皮膚ができていた。




「美鬼、凄いねポーション」




「でも作るの大変だし、作っても3ヶ月くらいで効果が落ちてくるから」




「でも3ヶ月も持つなら売れるな、作るのって手で磨り潰さなければいけないの?」




「手以外でどうやって磨り潰すんですか?」




俺は草原ダンジョンに出していた机や実験道具を片付け、美鬼と一緒に母家に向かった。




母家に戻り、ミキサーを取りだし、薬草と水をミキサーに入れスイッチを入れた。魔核は強化された俺の指で粉々にした後、乳鉢で完全に粉にした。




後は鍋で美鬼に煮詰めてもらい灰汁を取り、冷ました。




「美鬼、これなら簡単に作れないか?」




「効果に問題が無ければ楽に成るけど」




それから、冷めた物を濾し完成した。




俺は実験用に指先をナイフで切ろうとするが、傷一つつかない。




見かねた美鬼が、自分が実験台に成ると言って、指先を切った。




(俺の体って普通の攻撃じゃ傷つかないって言ってたけど、これじゃ注射とかできなく無いか)




「傷が治りました、大丈夫です」




「これなら大量に作れるな」




「でも3ヶ月しか持ちませんよ」




「大丈夫だよ」




「雅也さん、なんか悪い顔してますよ」




「いや、これで商売しよう、美鬼はこれから薬事班のリーダーだ」




「えっ、私がですか?」




「そうだよ、ポーション製作所は森の近くの草原ダンジョンに建てよう、そして政府に売るんだ、ダンジョンに潜ってる人やモンスターに襲われて怪我した人に売れるよ」




「そうですか」




「ガラス工房を造ろうと集めたガラスの中に栄養補給ドリンク小瓶が大量にあるし、材料なんてただみたいな物だし」




「雅也さんのお役に立てるなら、頑張ります」




「美鬼は薬事班の人たちに作り方を教えて、美鬼は他のポーションも作ってね」




「はい、解りました」




俺はそれから、沖田の親方にたのみポーション製作所を作ってもらい、できるまで旅館の調理場で生産してもらうことした。




そして、総理に連絡を取った。




「総理、お忙しいところすみません」




「本当だよ、大曽根くんがアメリカを脅すから、私のところに苦情が来るよ」




「あんまり無理難題突き付けるなら、ドラゴン1000頭でお邪魔させますって言って良いですよ」




「そんなこと私が言ったら戦争になっちゃうよ、ところで話って?」




「実は凄い物作っちゃいまして」




「怖いな、大曽根くんの凄い物って、嫌な予感がする」




「そんなこと無いですよ、実はですね、簡単に傷が治るポーションを作りました」




「ポーション?」




「総理はゲームとかしませんか」




「あまりしないね」




「そうですか、簡単に言うと外傷をたちどころに治す薬です、これが有ればダンジョンで死ぬ人も減りますよ」




「本当かい、また凄い物を作ったね」




「買ってくれますか?」




「買うのは良いけど、魚くらいしか返せないよ」




「いやいや総理、知ってますよ、新しい税制と新通貨を検討してることを、住民基本台帳を基準としたチャージ型ic通貨を実施するんですよね」




「山岡くんだね、この話は秘密にしてね、デフォルトした状態から始めるから情報が漏れると不味いんだ」




「解りました、言いません」




「どちらにしても、薬が無いと騒いでる厚生労働省の人間を送るから、よろしくね、変なこと言って来たら連絡して」




「解りました、じゃお願いしますね」




日本が復興できたら、俺たちは最高の生活ができるかも、大曽根財閥でも作っちゃうかな。




それなら、日本のダンジョンを本気で攻略するかな、でも俺は平気でも、彼女たちが死んだりしたら嫌だし、仲間が死ぬのは避けたい。




でも、置いてくと言っても納得しないだろうな。




まっ、先のことだし、その時に考えよう。




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