第89話新婚旅行?⑥
俺たちは大量に並ぶ人を捌くために、大人と中学生以上と小学生以下に分かれて並んでもらった。
大人はホテルの従業員が担当し、中学生以上は新撰組とお手伝いの主婦の皆さん、俺は主婦の皆さんと小学生以下を担当。
夏で薄着の高校生には近づけないと、強制的に小学生以下にされた。
(別に俺は高校生に興味は無いので構わないが、俺としては若い奥さんたちの方がエロく感じることは言わないでおいておく)
子供たちは最高の笑顔でお礼を言ってお菓子を受け取っていった。
(ありがとうは嬉しいけど、おじちゃんと呼ばれると、解ってますが直接言われると凹む)
ずるしようとする男の子もいて、手伝いの奥さんに捕まり怒られているが、可愛いもんだ。
結局コンテナ一つ分では足らず大量のお菓子を放出したが、子供たちの笑顔を見られるなら安いもんだ。
オークも50頭渡し大人たちも喜んでくれた。しかし、名産だからとくさやを持ってこられた時はおもわず顔をしかめてしまった。
(美味しいらしいけど食べたこと無いから、あまりの臭いにビックリした)
日が落ちる前に配り終わり、大量の魚介類をアイテムボックスにしまって、手伝ってくれた奥さんたちには御礼に希望を聞いてから物資を渡した。
それから俺たちは疲れを取るために温泉に入り、豪華な夕食を食べ部屋でのんびりしていると、突然総理が訪ねてきた。
総理は俺と二人で飲みたいらしく誘われたのでホテルのラウンジで飲むことに。
総理からは住人や子供たちへの物資のお礼を言われた。俺たちは魚介類を交換しただけだと伝えて頭を上げてもらった。
それから総理と色々な話をした。島での生活も色々な問題から限界が来ていて、中でももし火山が噴火でもしたら対処できないことなどの問題があり、政府機関を移す計画があることを教えてもらった。
その計画では北海道や四国などの候補地があるが、色々な問題があり決定はしていない。そんな話の中総理から立川の話をされた。
立川基地がきな臭いことを、俺も横田から多少は聞いていたが、どうやら今の立川のリーダーたちに不満を持つ人たちが行動を起こそうとしていて、成功したら我々と自衛隊に戻ってきてほしいということらしい。なんでも今のリーダーたちは従う人には優遇し、意見を言う人には冷遇することを平気でするみたいで、しかも中には殺されたのか行方不明になる人までいるらしい。
「私はね、いまだに総理などと名乗ってはいるが、もう日本という国は無いにも等しいからね……いまあるのは日本人が集団で生活しているにすぎない。でも、なんとか日本を残したいんだ。そのためには私は自分の手を汚しても構わない覚悟がある。海上自衛隊にも先制攻撃を許可してるし、自衛官にも命の危険がある時は武器の使用を許可している。
私は立川基地の反乱が上手くいけば、立川を中心に安全に住めるエリアを造りたいと考えているんだ。まだこのことは内閣でも一部の者にしか話していない。大曽根くんもまだ秘密にしてほしい」
「分かりました」
「それともし立川に戻ることになった時には大曽根くんには次世代のリーダーとして政府で働いてもらえないだろうか。都合の良い話だと思うだろうが手伝ってほしい」
「申し訳いのですが、俺にはそんな資格はないし、村だけで精一杯です」
「今すぐ答えを出さなくてもいいさ。ただ考えてみてほしい。私はダンジョンがあっても日本人なら暮らしていける国が造れると思うんだ。戦後から復興した日本人ならどんな災害からも、必ず復興できると思っている」
それから夜遅くまで総理と話した。通貨経済復活のためにデジタル通貨の導入や名古屋まで開通済のリニアを再開させ、京浜と中京の工業地帯の復活など色々な計画を聞いた。
確かにリニアならほとんどトンネルのため、安全に輸送はできるだろうが、どの計画も簡単なことではない。今の内閣の人たちが生きてるうちに実現するのは難しいだろう。ただ総理の未来に日本を残したい気持ちは解った。
今の日本のために働いている人は、多分皆未来のために無償で働いているのだろう。
俺も返事はしなかったが手の届く範囲なら手伝ってもいいと感じていた。
総理を見送り部屋に戻ると、彼女たちは浴衣を着て酔っぱらっていて、浴衣を着崩して寛いでいた。
(なんかエロいな。旅行に来てからHしてないし、ちょっと欲求不満かも。とはいえ俺には複数同時なんてスキルはないし恥ずかしくてできないしなあ。まだまだ理性は保てている感じではあるな)
俺は彼女たちの輪に入り、総理と話した内容を話した。
彼女たちにも無理しないで、できる範囲で良いんじゃないと言われたし、俺もそれで良いと思う。
翌日はやっと新婚旅行気分で海辺で遊ぶことに。
しかし、浜辺では子供たちに囲まれ落ち着かない。グリフォンたちも最初は怖がられていたが、子供たちの順応性に驚かされることになった。今じゃゼウスに抱きつく子供までいる始末。
学校はあるらしいが今は夏休みで、皆真っ黒に焼けている。中学生以上は午前中は畑などの手伝いらしいが小学生は自由らしい。
俺たちはお昼で子供たちが減った時にグリフォンたちと沖まで出て、アイテムボックスからクルーザーを出しクルージングすることにした。
彼女たちも豪華クルーザーに喜び、グリフォンたちも落ち着いて寝られることを喜んでいた。
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