第135話中京工業地帯奪還作戦④
「予測よりモンスターの数が多くないか?」
「予測は予測でしかない、つべこべ言わずにバリケードを越えさせるな!」
自衛隊員たちは避難所を守るために必死に戦って居た。
「隊長、巨大な何かがこちらに向かって来ます」
「何かで解るか!」
「ドド、ドラゴンです」
「対空ミサイルで迎撃します」
「馬鹿者!ブリーフィングでも伝えただろう、ドラゴンは味方だ」
「うわー来たー」
「こんにちは、助けに来ましたよ」
「ド、ドラゴン様、ありがとうございます」
「いいよー、主とグランマに頼まれたから、いっぱい居るからブレス吐いても良い?気をつけて吐くから」
「はい、お願いします」
「じゃー、行くよ、皆下がってね」
ゴーっと音と共に、ドラゴン口から炎が吐かれた。
炎は建物など元から無かったように、扇状に拡がっていく、その射線上に居た全ての命を飲み込んでいく。
ドラゴンがブレスを止めると、そこには赤くマグマのような大地が有るだけだった。
ドラゴンは周りを見渡すと、隊員たちは驚いて座り込んでる者や顔を引き吊らせてる者が居ることに気づく。
「やり過ぎちゃったかな?主に怒られるかな?」
「ドラゴン様、大丈夫です怒られません、ドラゴン様は皆を助けたのですから」
「本当、良かった、主からあんまりブレス吐いちゃダメって言われてたから」
モンスターたちは避難所を避けて逃げて行く、ドラゴンは雅也からの無線で取り合えずは避難所で大人しくそこに居るように言われた。
「隊長、このドラゴンなんか子供ぽくないですか?」
「まだ若いドラゴンらしいぞ」
「マジですか?」
「ちなみに、太平洋艦隊を殲滅させたのも若いドラゴンだ」
「マジですか」
ブレスを吐いたドラゴンは怒られることは無かったが、カメラからもたらされる映像を見た、指令本部の者たちは頭を抱えて居た。
「大曽根くんが味方で良かったね、だから言ったでしょ、変なプライドで張り合っても無駄だって」
「申し訳ありませんでした、我々の作戦で多くの隊員を犠牲にしました、責任を取り辞職致します」
「なにを言っているのですか、貴方たちの責任の取り方は、より一層市民のために戦うことです、今の日本に辞めて責任を取る余裕なんか有りませんよ」
「犠牲になった隊員たちのためにも粉骨砕身努力致します」
「期待しています」
指令本部でこんな会話が起こっていることも知らず雅也は、手分けしてモンスター討伐をしていた。
そのころマリアは地下街に逃げたモンスターを追いかけるが、マリアの大きさでは地下街に入れずイライラして居た。
「雅也、モンスターたちが地下街に逃げて、私入れないんだけど」
「マリアが入るのは無理でしょ、マリアは小さく成れないでしょ」
「私はダンジョン産まれのモンスターたちと違うから無理」
「こっちが終わったら行くから待ってて」
「雅也、地下街なんかブレスで一発だよ」
「ダリア、名古屋の街が壊れるからダメ」
「めんどくさいな人間て」
「ダリア、名古屋や人間の街が残って、また元の生活に戻れば新しいゲームも出るかもよ」
「おおー、新しいゲームができるなら、もうちょっと頑張るかな」
(ドラゴンって人間より知能が高いはずなのに、ドラゴンコンビはチョロいな)
そんなことを話していると、名古屋飛行場に新たな輸送ヘリがやって来た、救助が終わって近隣の工場や会社から機械などの搬出に掛かるようだ。
しかし、機材の搬出するってことは、当分ここでの生産はしないってことなのかな、せっかくリニアを復活させたのにもったい無いな。
マリアには地下街に行くと言ったが、名古屋の地下街は迷路だと聞くしな、迷子になりそうだから、諦めてマリアに戻って来てもらうかな?
その頃マリアは、いくつも有る地下街の出入口から顔を出すモンスターに翻弄されて居た。
頭に血が上ったマリアは自分が入れる入口を探すために奔走していた。
そして無謀にもマリアに襲い掛かかるモンスターが現れた、そのモンスターは群でシルバーバックや大型の恐竜をも狩るマンティコアだ。
しかし、マンティコアは知らなかった、今まで戦って来たモンスターとの違いを、そしてイラついたマリアの恐ろしさを。
マンティコアはマリアを狩るために四方八方から一斉に襲い掛かって来た、しかしマリアはすでに取り囲まれていることに気づいて居た。
一斉に襲い掛かるマンティコアを、目にも留まらぬ速さで次々と爪や牙で仕留めて行く、およそ15頭の群の半数が一瞬で葬り去られた。
マンティコアもそこで撤退していれば、全滅しなかったものの、仲間が殺されたことで、我を忘れマリアに襲い掛かる。
しかしマリアからしてみればストレス発散でしか無かった。
カメラから映し出される映像は自衛隊特殊部隊が苦戦したマンティコアを一方的に虐殺する光景だった。
「雅也、スッキリしたからそっちに行くね」
「マリア地下街は良いのか?」
「狭いからいいや」
「飛行場に居るから、帰っておいで」
こうしてマリアのストレスを発散させてくれたおかげで、雅也は人工の地下迷宮に挑まなくてすんだ。
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