第136話中京工業地帯奪還作戦⑤


「ねぇソフィ、雅也さんも鬼人族もなんであんなに強いの?」




「知らないわよ、私たちだってもう少しで上級冒険者って呼ばれてもおかしく無いのに、しかもドラゴンにスノータイガーなんて普通出会った時点で死んでるよ」




「確かに、でも普通にドラゴンにブレスは吐くなとか言い聞かせた時、ドラゴンたちは大人しく言うこと聞いてた時は、有り得ないって叫びそうになったよ」




「異世界は恐ろしいね」




「でも、こっちの世界ってご飯は美味しいし、洋服の着心地も良いから、なんか帰らなくても良いかも」




「確かに、毎日温泉に入れるなんて夢のようだ」




「帰るの諦めてもうこっちでカズキと結婚しちゃおうか?」




「それ良いね、カズキも男の子だから、私の足とか胸に目がいってるの隠してるけど、バレバレだからね」




「カズキは大人しくしいけど、優しいしちょっと頼り無いけど、ちゃんとここぞと言う時は守ってくれるからね」




「あっちには居ないタイプだよね」




「しかし暇ね、作戦でここを守るように言われて来たけど、私たちって必要有るのかな?」




「グリフォン2頭居れば過剰戦力だからね」




「だよね、でもまさか異世界に来てグリフォンに乗れるなんて」




「あっちじゃ、グリフォンなんて 王侯貴族しか乗れないもんね」




「しかも私たちドラゴンにも乗ったしね、飛竜じゃ無くてドラゴンだからね」




「本当だよね、自慢したいけど、村じゃ子供たちですら乗ってる」




「流石異世界ね、フォレストウルフの集団が来たわよ」




「私たちも少しは役にたちましょう」




ソフィとシオンの異世界コンビはグリフォンと連係して、避難所に一匹のモンスターを入れなかった。




そんな2人の活躍を見ていた自衛隊員たちは、強くて美人な2人のファンになっていた、しかし中味はちょっとショタの入った残念な2人だった。




そのころ雅也は、モンスターの撃退も一息着いたので、自衛隊員たちの資材回収作業を手伝っていた。




名古屋飛行場は放棄するけど、ドラゴンと自衛隊の活躍で湾岸地域の確保は出来たから、リニアが使えないことと、犠牲者が出たことを除けば概ね作戦は成功なのかな。




しかしモンスターを倒した数より確実に逃げ出した数の方が多いけど、他の地域は大丈夫だろうか、岐阜の刀匠は元気かな。




日も暮れて来たから、今日の作戦は終了らしいから、皆を呼び戻して名古屋港に停泊してるいずも形護衛艦に行くか。




俺たちは皆で名古屋港に向かった。いずもに降りようとしたが、いまだにヘリの発艦作業をしてるのでドラゴンたちは名古屋港に居てもらい、俺だけいずもに向かった。




名古屋港にはいまだに、車やコンテナが大量に有り、欲しかったが堂々と盗む訳にもいかないので、仕方なく諦めた。




俺はいずもに降り立つと、隊員たちから拍手と敬礼で出迎えられた。




船内の会議室に通されると、艦長たち幹部自衛官が出迎えてくれた。




「大曽根殿、多くの隊員や市民を助けて頂き感謝致します」




「大曽根さん、後一時間でヘリの発艦作業が終ります、終りましたらドラゴンさんたちにも、この艦にお越しください」




「ドラゴンたちなら港で大丈夫ですよ」




「いえいえ是非お越しください」




「実は隊員たちは間近でドラゴンを見たいんですよ」




「そうでしたか、じゃあ連れて来ますね」




「それに、皆さんには今日は金曜日なので海自名物をご馳走しますよ」




それからしばらくして、いずもの発艦作業が終わり、ドラゴンたちが甲板に降り立った。




ドラゴンたちが降りると、隊員たちは熱狂的に出迎えた。




ちゃっかりご馳走が有ると聞いたクレアとダリアのドラゴンコンビは人化していた。




マリアや若いドラゴンたちとグリフォンたちは、隊員たちと記念写真を撮ったり、隊員と和気藹々と楽しんでいた。




俺たちは金曜日ご馳走を頂くために会議室に向かった。




勿論運び込まれたご馳走はカレーだ、しかもフィッシュフライがのっている、俺が目を輝かせている横で、クレアがふざけたことを言った。




「えー、ご馳走と聞いたのにカレーなの」




「クレア、海自さんのカレーは特別なの、お前が映画見て食堂に行くのがめんどくさくて、食べるレトルトのカレーと一緒にするな」




「えー、だって食堂にいつでもカレーは食べられるじゃん、カレーは美味しいけどご馳走じゃ無いよ」




「良いから食べてみろ、すみませんせっかく名物のカレーをご馳走してくれるのに、この無知なドラゴンが失礼なことを言って」




「雅也、このカレーはうまいぞ」




「だから言っただ‥‥」




「ちゃんと待った大曽根殿、この方はドラゴンなんですか?」




「そうですよ、ドラゴンたちの始祖なんで人化できるですよ」




「ビックリしました。改めてこの度はありがとうございました」




「カレーがおいしいから良いぞ、それに我々は雅也に付いて来ただけだぞ」




カレーをご馳走になり、ドラゴンたちはエレベーターで格納庫に案内されそこで眠った。




勿論俺たちは、部屋がよういされベッドで眠りについた。




翌日はモンスターも落ち着き、地上にはモンスターを見なくなったので、俺たちはお役御免で村に帰ることにした。




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