第67話3匹のモンスター


「被害者は診療所へ、柵の強化を急がねば」




「雅也さん、レオとルナが今押さえてるから、アポロとアナトを助け出して」




「おおー解った、レオ、ルナ頼むぞ」




太陽と雪は危険を感じ、先に避難して助かった。




俺は、アポロとアナトを助け出し、アイテムボックスからペット用のゲージを取り出した。




「皆、柵にゲージを取り付けてくれ」




俺達は無敵の3匹のモンスターに襲われていた。




その3匹のモンスターは愛敬を振り撒き、近づいては突っつき攻撃をして来て、可愛さのあまり反撃さえ許さない、恐ろしい3匹のモンスター。




その名は、ホルス、ロナ、マヒナの子グリフォンで有る。




事の始まりは、グリフォンの子供を見ようと、上野動物園のパンダ状態で人が集まり、人間に興味を示した、子グリフォン達が柵に近づき、手を出した女子高生の手を突っついた。




子グリフォン達は何故か他の人にも突っつき出し、アポロとアナトが止めに入るも尻尾を噛まれ走り回るも離さない2匹。




ロナは楓に確保されルナに渡されるも、アポロとアナトに噛みついた2匹は走り回る子虎から離れない。




俺が何とか助け出すも、子虎達は痛かったのか一生懸命尻尾を舐めていた。




「アポロとアナト偉かったな、赤ちゃんだから許してやろうな」




ゲージを柵に取り付け、脱走出来ない様にして、柵には手を出すと危険と看板も出した。




レオとルナが謝っていたが、赤ちゃんじゃしょうがないと被害者も許してくれた。




それでも人気は凄く連日柵には大勢の見学者が、レオもルナも嫌がらないので夕方までは見学を許可した。




レオはまだ大人は無理だが子供ならと、ダンジョン内で背中に乗せ低空飛行で遊覧飛行のサービスまでしてくれた。




ルナに子供達の事を聞くと、群に居ると子供達が突っつく事は良く有るらしい、突っついたら痛い思いをさせて教育するから、今度突っついたら首の後ろを掴み、怒ってくれと。




(しかし、あんなつぶらな瞳で見られたら、怒れない)




今日もチビッ子モンスターは柵の中で、兄弟で突っつき合いケンカをし、親に怒られ、餌を食べては寝て、大人気アイドルと化していた。




レオもルナも餌を求めてダンジョンに良く行くので、村の人達と一緒に狩りをしたりして、すっかり村の一員と認められていた。




そのおかげなのか、マリアを怖がっていた人達も、マリアと気軽に接する事が出来る様に成った、マイクロバス程有るマリアに接すれば大抵のモンスターにビビらずに済むだろう。




それとルナの許可も有り、子虎と子猪達は子グリフォンが攻撃して来たら、足で押さえ込み教育をして、今じゃ子分の様に従えている。




子虎に子猪に子グリフォンが遊んでる姿は微笑ましい。




その光景が更に人気の拍車をかけ、老婦人達は其々のヌイグルミを作り、ゲーセンにも多くの人が押し寄せた。


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