第42話総理ご一行②
総理ご一行を母家に案内したところ思いの外、人数が多くてソファーに座りきれないので、囲炉裏を囲む事にした。
「大曽根くん改めてお礼を言わしてもらう、ありがとう」
「いえいえ、お役に立てて光栄です、私1人の力では無いですから彼女達が一緒だから攻略出来たんです」
「我々もダンジョン攻略が進んでいるんだよ、資料を大曽根くんに渡してくれ」
資料を渡され軽く目を通す。
「北海道奪還作戦は5ヶ所のダンジョンを攻略した、残り4ヶ所だが、残っているダンジョンはみなレベル20以上で、現在は封鎖する事しか出来ない」
「残りは都市部だから、農業は可能ですね」
「実は今日伺ったのは、ダンジョン攻略した時に、隊員が言うには仲間に成ったモンスターがいるんだ」
「うちもスライムと猪と虎が居ますからね、やっぱり俺だけじゃ無いんだ」
「それで聞きたいのだが、仲間に成ったモンスターは人を襲わないか?」
そんな話しをしてると、マリアが縁側に頭だけ乗せて話しに入って来た。
「ダンジョン攻略すると、仲間に成る者は主人を本能的に従う、命の危険が無い限り人は襲わない」
「マリアさんありがとう、今仲間に成った者は4頭で北海道でスライムと狼、四国でウサギ、九州で蜘蛛が仲間に成った、ただ我々はどう扱って良い物か困って居るんだ」
「仲間に成った者達は主人とダンジョンに潜る事が一番の悦びだ、まだ子供のうちは愛情をもって育てれば、必ず主人の役にたつ」
「総理、仲間に成った者の写真は無いのですか?」
俺とマリアは写真を見せてもらい、マリアが解説してくれた。
「まずスライムはエメラルドスライム、回復と結界が張れるね」
「ちょっと待ってくれ、このスライムは大曽根基地見たいに結界が張れるのか」
「え、大曽根基地って」
総理はマリアとの話で俺は無視されたら、隣に座る防衛大臣が教えてくれた、隊員達はここの事を大曽根基地と呼んでるらしい。
(頼むからもっと格好いい名前を付けてくれ、恥ずかし)
「総理殿、このスライムはまだ子供だ、スライムの成長は早いが大人成ってもここまでの結界は無理だ、ダンジョン内で休憩するスペースを確保するのが良いところだ、ダンジョン連れて行くには役に立つぞ、傷の治療もできるし」
「ちょっと残念だが、ダンジョン攻略には役立つ者何だな」
「この狼はキラーウルフの子供だな、キラーウルフは大人に成ればレベル30以下のダンジョンは1頭で攻略する力は有る、私には敵わないがな」
「本当ですかマリアさん、大事に育てる様にします」
「子供のうちからダンジョンの低層階で狩りを覚えさせると良い」
「隊員に伝えます」
「次にウサギだが、ホーンラビットだと思うが、子供で角が無いから解らん、美味しい事は確かだ」
「マリア、食っちゃダメだろ」
「私はラビットは良く解らん、私には狩りの対象でしか無いから」
「大人に成れば何か技能が有るかも知れないんだな解った、蜘蛛は?」
「蜘蛛も子供で解らない、だが蜘蛛は頭が良いし、索敵に優れているし、仲間の防衛にも優れてる」
「そうか、教えてくれてありがとう」
「マリア、シルバはどんな能力が有るの?」
「シルバもまだ子供じゃ、それに希少種だから解らんが、大人に成れば私の攻撃も防ぐだろうな」
「おおーシルバは可愛くて強くなるのか、楽しみだ」
それから海外の話しも聞いた、ヨーロッパはイギリス以外悲惨らしい、ヨーロッパからアフリカ大陸に人が押し寄せているらしく人の流れが逆に成った、ロシアはダンジョンに核を使いモンスターを殺そうとしたがダメージを与えられず反撃に合い、クレムリンは崩壊し今じゃモスクワはドラゴンの住みかに成っている、イギリスとアイルランドはロンドン、ダブリンを放棄して封じ込め作戦がうまく行っているらしい、アメリカはかなり苦戦しているらしいが、詳しい情報は秘匿されている、ただ石油と小麦などを援助してくれたので、上手く行っているのだろうな。
アジアだが中国は崩壊して8つに分裂した、その分裂した一部がインドネシア、フィリピンと離島をめぐり戦争してるらしい。
韓国も対馬に難民が押し寄せて、難民の護衛する為と言って軍艦を出して来たので、こちらも護衛艦で対応している、今のところ武力衝突にはいたっていない、難民を今の日本では受け入れられない、対馬も九州からの避難民でいっぱいだ。
総理ご一行は温泉に入り、天ぷらそばを食べて、帰って行った。
温泉と食事のお礼に魚を贈ってくれると帰り際に言っていたが、また来るつもりなのか?
俺達も仲間をモンスターと呼ばない様にしないとな。
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