第112話ブルネイ⑥


俺達は今までと違い、1階層攻略するのに相当時間を費やした。




お昼も食べずに朝から7時間も掛け、やっと下に降りる階段を見つけた。




そこはまるで、エジプト遺跡の様な建物で半分砂に埋っていた。


中に入ると広い空間で真ん中に大きな穴が有り螺旋階段で下に降りれるようだ。




今までダンジョンで螺旋階段など見たことが無い、レベル20のダンジョンは初めてで、階が下がる毎にダンジョンの不思議さに驚かされる。




ナビが居ないのにダンジョンレベルが解ることが不思議に思えるが、ダンジョンを見た時に不思議と頭に浮かんだ、声は聞こえないがナビが教えてくれている気がした。




俺達は休憩を兼ねて食事をしながら、此からのことを話した。




お昼ご飯の準備をしてる内に速鬼が下の階層を偵察して来てくれ、下の階層は砂漠では無く、まるで砂漠の地下に有る様な空間らしい、光も砂の天井から照されたまに天井から砂も落ちてくるようで、砂漠ような暑さも感じ無い階層だと報告を受けた。




話し合いの結果、今日の内にもう1階層攻略する事が決まった。




螺旋階段を降りると、そこは地球上では有り得ない光景だった。




天井は高く時折砂が落ちてくるが、砂の天井は崩れない、一面砂の海だが、川が流れたり池が有りとても幻想的な空間が広がっていた。




俺達は螺旋階段を降りながら、ただ黙って見ていると。




そこにはカラフルな鳥が飛び、川には真っ白な小さな魚が泳いでいた。




そんな俺達を見てゼウスが。


「主殿、ここはエデンと呼ばれる階層かも知れません、まだ確実では無いですがこの階層は侵入者を攻撃してくるモンスターは居ないと思います」




「そんな階層が有るのか?」




「有ります、ただしこの下の階層はかなり大変な階層が有ると思います」




「じゃあなにか、危険な階層の前のサービスなのか?」




それでも俺達は念のため、警戒しながら階段を探したが、襲ってくるモンスターは無く、幻想的な風景を楽しんだ。




俺達はグリフォンの助けも有り、無事に階段を発見した。




次の階層が気になり、階段から見える下の光景は砂嵐がおきていて先が全然見えなすさまじい光景を目の当たりにした。




結局俺達はエデンで1泊して、翌日挑むことにした。




翌日の朝下の階層を見るが、いまだに砂嵐が続いている。


これはもう砂嵐の中を進まないと先に行けない階層のようだ。




ゴーグルなど、対策を取って降りたが、俺は砂が服の中に入ってくる不快感は有ったが、彼女達は砂が皮膚に当たり相当辛そうだ。




仕方なく予備のWAPC8輪装甲車を出し、彼女達には避難してもらい、俺と鬼人族とグリフォンとで交代しながら安全確認をして進むことにしたが、俺や鬼人族では5m先もよく見えず、結局索的能力に優れるグリフォン達に装甲車の上から監視してもらうこと成った。




流石、危険階層だけ有って、出てくるモンスターも強敵だらけだ。


最初に現れたのは握り拳大の大きさの金色のカナブンで、大量に襲い掛かって来た。




砂嵐の中、金色のカナブンは見えずらくグリフォンの体にへばりつき噛みついてくる、グリフォンたちにはたいした被害は無いが、大量に襲い掛かる光景は恐ろしい、俺は急いで装甲車を止め、装甲車を中心に10mの結界を張った。




グリフォンたちに噛みついた虫を殺し、結界内から虫を殺すが虫は一向に減らない、結界は固定できるが、走りながら結界を維持することが出来ないので、俺達はひたすら虫を結界内から殺すしかなかった。




あまりの数にグレネードを撃ち込むもムカデや蠍まで寄って来るしまつ、それから3時間位戦闘を続け、なんとか全ての虫を殺した。




たぶん俺達は結界が無ければ虫の餌に成っていただろう、今まで体験したことが無いような敵だった。




(約1名、狂ったように青い顔でグレネードを撃ちまくっていたが、俺もあの光景は鳥肌が立つ程だったので仕方ない)




虫自体は弱いが、数の暴力は壮絶だ、この階層をクリアするのに何日掛かるか解らない不安にかられる。




それからも、装甲車を丸飲み出来そうなサンドワームに襲われ、偶然にも発射したグレネードがサンドワームの体内で爆発して助かったり、前回より少ないが虫の大軍に襲われた。




そんな中、グリフォンが岩山に洞窟を見つけた。




俺達は階段が有ると喜び洞窟に入るが、洞窟は広めの空間が有る、ただの洞穴だった。




俺達は結局、その日は洞穴に結界を張り休むことにした。




俺はキャンピングカーを2台出し、交代でシャワーと食事の準備を始め。




俺はその間、今日頑張ってくれたグリフォンたちの砂を落とす為にブラッシングして過ごした。




そして、今日の疲れを取る為に休もうとしたことろ、外から聞こえる砂嵐の音が止んだ。




グリフォンたちは直ぐに外に出て偵察に行ってくれた、俺も後を追い外に出ると、ダンジョンの中なのに、砂嵐は止み空には満天の星空が広がっていた。




「くそ、なんて嫌らしいダンジョンなんだよ、寝ようとしたらこれかよ」




戻って来た、グリフォンたちから話を聞くと、離れた場所に岩山がいくつか有り、中はただの洞穴だが、その先にも岩山がたくさん有るらしい。




俺達は先に進む為にこの洞穴から撤収して先に進むことにした。




トカゲや鼠のようなモンスターは出たが、グリフォンたちの敵ではなかった。




それから2時間くらいした頃、また前方から砂嵐が近づいて来たので、近くの洞穴な逃げ込んだ。




結局俺達は3日掛け、やっと階段を見つけることができた。




俺達は逃げるように階段を降りるとそこは、川や池の有るエデンのような階層だった。




砂を落とす為に川に入ろうとすると、グリフォンに止められた、前方でゼウスが川の中のなにかと戦っていた。




ゼウスは牙の有る大きな魚を鷲掴みにして、空から地面に落とし、クチバシでトドメを刺した。




「このダンジョンはどこまで嫌らしい性格なんだ!」




結局俺達は、精神的な疲労からその日はお休みにすることにして、アイテムボックスから、ダンジョン用の携帯型温泉を出し、温泉に入りのんびり過ごして疲れを癒した。




その頃村では、クレアたちに肉の確保を頼んだことで問題が起きていた。




クレアたちがドラゴンの姿で狩りをすることで、モンスターたちがパニックに成り、建物が有ろうが無かろが関係無しに逃げ惑った。




それにより、マリアが縄張りにしていた、村の近くまでモンスターが押し寄せ、村中総出でモンスターを狩ることに成った。




モンスターたちの住み分けが崩れ、モンスターたちは広範囲に逃げ出し。




横田やリザードマンたちのところまで、迷惑を掛けてしまい、クレアたちには俺が帰るまで村の中で大人しくしてもらうことと成った。




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