第127話異世界
俺はコタツに入りながら、ソフィと秀鬼と妃鬼に異世界のことを聞くことにした。
異世界では人族が住む大陸と魔族と呼ばれる種族が住む大陸が有り、その他にも大陸が有るらしいが3人は自分が住んでいた大陸しかよく知らないらしい。
人族が住む大陸は広く、エルフやドワーフや獣人も住んで居るようで、エルフは森の奥地で、ドワーフは山奥や鉱山に住んで居るらしい、ドワーフたちは人族に武器を提供している関係で良好だが、エルフと獣人は人族に弾圧されていて、特に獣人の扱いは酷いらしい。
「ただ、エルフの言い伝えによると、元々は同じ種族だったらしい、種族が別れたのは昔の文明が滅ぶ時に人間を残すために変化したと言われている」
「魔族と呼ばれる者は魔力を多く扱える種族で人間とモンスターのハイブリッド、獣人たちは人間と動物ハイブリッドだと言われている」
「ちなみにダンジョンも昔の人間たちが世界を壊した時に、魔素の循環のためにできたと言われている」
「今の地球は魔素の濃度が低いが、ダンジョンからモンスターが溢れ出し、モンスターが死ぬとモンスターが持っていた魔素が拡散するし、ダンジョンやモンスターから取れる、魔核や魔石を使えば、魔素が拡散するようだ」
「そうして、この地球もダンジョンが吸い上げた魔素を地表に放出している、ただし地球を満たす魔素がどれくらいの年月がかかるのかは解らない」
「それじゃあ、まるで地球をテラフォーミングしてるみたいじゃないか?」
「そうだな、魔法の使えない地球をまるで科学から魔法の世界に変えるようだな」
「古い言い伝えでは、神が進んだ文明のために星を蝕み続ける文明を滅ぼすために魔素を使わしたと言われる話も有る、本当が
か嘘かは解らないがな」
「ソフィは魔法を使えるの?」
「使えることは使えるが」
ソフィは指先にロウソクのような炎を灯した。
「今はこれが限界だ、魔石や魔核を使えれば、もう少し威力がますがな」
「魔石が有れば、その炎で攻撃できるの?」
「無理だな、炎が体から離れると、段々威力が弱まるから、カズキも言っていたが、物語のように炎で攻撃しても、何かに当たれば炎は拡散してしまう、炎が体に当たっても拡散してしまうので、火傷すら負わせられない。地球だって火に一瞬触った位じゃ火傷しないだろ」
「そっか、なんか残念」
「カズキと同じ反応だな」
「鬼人族の魔法は?」
「ソフィの話と一緒だが、鬼人族は魔力を使い肉体を強化することに長けている」
「おおー、強化魔法」
「だが、魔素が薄いために使えるのは一瞬だ」
「そうなんだ」
「カズキも言っていたが、魔法はそんなに万能では無い、それより経験から得るスキルの方が有効だ。しかしこの世界にはギルドに有るようなスキルシステムが無いから、スキルの確認もできない」
「ダンジョンからたまに発見されるけど、誰か持って無いのかな」
「前にそんな話を聞いたな」
「まあ、確認できなくても使えるから、別に無くても大丈夫だよ」
「そっか、無理して探す必要無いね」
そんな話をしていると、カズキとシオンが帰って来た。
「シオンさん、考えは纏まったか?」
「解らない。でも魔族、いや鬼人族の人たちに敵意が無いことは解る。でも私が今まで信じていたことが嘘だったのかも解らない。だから自分の目と耳で真実を見極める」
「そっか、それで良いんじゃないか、秀鬼たちも良いよな?」
「問題ないぞ、いきなり信じていた物が嘘だと言われても、直ぐには納得できないだろう」
「そりゃそうだな」
「ところで話を変えるけど、ソフィたちの家は3人一緒で良いの?」
「はい」
「大丈夫」
「えっ」
「カズキ、嫌なの?」
「嫌じゃあ無いけど、今までは避難所で仕方なかったけど‥‥」
「カズキは私たちの命の恩人なんだから、私たちがカズキを守る」
「解った、これからもお願いします」
(命は守られても、カズキの貞操は守られ無いな)
話が終わり、また歩美の案内で3人は村見学に行って、俺はコタツでのんびりして居ると、携帯が鳴った。
「もしもし」
「雅也くん」
「総理、引っ越しは落ち着きました?」
「無事に立川に戻って来れたよ。それより函館の件ありがとうね」
「いえいえ、函館を火の海にしてすみません」
「大丈夫大丈夫、函館はダンジョンを中心にして、新たな街を造るから」
「そうですか」
「それでね、電話したのは函館のお礼も有ったんだけど、今度は名古屋を中心とした、工業地域の奪還作戦を実行することを伝えておこうと思って」
「手伝いですか?」
「いや、今回は北海道から自衛隊も大量に派遣するから大丈夫だよ」
「じゃあ何故俺に?」
「雅也くんは今まで協力してくれていたから、伝えておこうと思って」
「そうですか、ありがとうございます。もしかして今回の奪還作戦は工業地域だから、俺たちを誘わない?」
「そんなことは無いよ、いつもお願いばかりして悪いから」
「本当に?」
「できれは早期に工場を稼働したいことは有るけど」
「そりゃそうですよね、工場を稼働したくて奪還するのに、更地にされたら意味無いですよね」
「函館は事故だと聞いているから雅也を信じているけど、いつまでもお願いしてる訳にはいかないから」
「解りました、成功を祈ってます」
なんか総理に気を使わせちゃったな、今後のためにも頑張ってもらおう。
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