第105話ドラゴンと同化


俺は結局ドラゴンと戦ってからまる3日間寝ていたらしい。




目覚めると部屋には彼女達4人と見知らぬ女性とシルバ達それと子虎と子猪とグリフォンのアインスいて、窓を見ると窓いっぱいにマリアの顔がこちらを覗いていた。




見知らぬ女性は、年は20歳前後で長いストレートの銀髪に白い透き通る肌、とても人間とは思えない金色の瞳をしていた。


瞳のせいか、気の強そうな印象を受ける。




どうやら彼女が白いドラゴンで、俺が倒したドラゴンの竜核を使い俺を助けてくれたらしい。




彼女の名前はクレアシオン、始まりのドラゴンの一人らしい。彼女達は世界に散った者達をダンジョンに戻す為にドラゴンを探しているらしく。




事の始まりは、ダンジョンに核攻撃を受け、浅い階層に居た若いドラゴン達が正気を失い狂暴化して、仲間さえ攻撃する様になり、しだいに各地に散らばって行った、クレアシオン達古竜が最下層に居て気づいた時には、若いドラゴン達がもう手のつけられない状態で慌てて回収に向かったのだが時すでに遅かったと言っていた。




それで何故俺を助けてくれたかと言うと、あのドラゴンは助からないが俺はまだ助かる可能性が有ったからだそうだ。それとあの若いドラゴンは彼女の直系の子孫らしく、あのドラゴンは俺の中で生き続けるらしく、その為でも有ると言っていた。




そして俺の中にクレアシオンの竜核の一部も同化しいるらしく、俺の中に有ったナビゲーターが居たために制御する必要が有り、一部を同化させる必要が有ったと。




ただ、まだ俺の中の竜核は完全に同化は出来ていないから、これからゆっくりと同化して行くらしい。




その為には、クレアシオンが俺の体の中に竜気を送り込まないと分離して、最悪死んでしまうらしい。




「竜気を送るからシャツを脱げ」




俺はシャツを脱ごうとするが、凄く嫌な感じがして脱げない。




「お前達、押さえて脱がせろ」




「えっ、脱ぐから待って」




「雅也さん、ごめんね、貴方の為だから」




俺は彼女達に押さえられ、シャツを脱がされた。


クレアの手が胸に当てられると、身体中から冷や汗が溢れだし、しだいに胸が熱くなり、身体中が焼かれるような痛みが走る。




「熱い、待って待って焼ける、ギャーーー死ぬーー」




「終ったぞ」




「なんだよあれは、身体中が焼かれたような痛みは」




「お前の体の中に有る竜核と体を融合する為の物だ」




「もう融合した?」




「まだまだ、時間は掛かる日に1回は送らないとダメだ」




「こんな痛いの何時まで続くの?」


「解らん同化する迄だ」




「平均で何日くらい?」




「解らん竜核を半分と同化したケースは一度有ったが忘れた。竜核全部とナビゲーター付きは初めてだから検討もつかん」




「同化する前に俺が死んじゃうよ」




「大丈夫だ、竜気で死ぬ事は無い」


「いやいや、心が死んじゃう」




「うるさいヤツだな、死にたく無ければ我慢しろ」




「・・・・・・・」




それから俺は体を起こし、風呂に入ろうと立ち上がると、ふらふらしてまともに立て無かった。




彼女達4人に介助してもらい風呂に入る事に。




脱衣室で服を脱ぐと、体のあちこちに赤と黒の幾何学模様の刺青が。




「なんだこれー」




「同化の為らしいよ」




「かっこいいよ」




「これじゃ、プールや温泉施設に入れない」




「そんな問題?」




俺は彼女達に介助され、温泉に入り体を調べたが、子供の頃につけた古傷が綺麗さっぱり無くなっていた。




風呂から出て、ベッドで横になりながらクレアから、同化についてレクチャーを受ける事にした。




「竜と同化すると、メリットデメリットが有る。一番のメリットはお前の体を傷付けられるのはドラゴンくらいだろう」




「ドラゴンに変身したりは出来ないの?」




「できる訳無いだろう」




「じゃあ、翼が生えて飛んだりとかは?」




「できない」




「えーじゃ、ブレスを吐いたりは?」




「人間がブレスを吐く器官なんか有るわけ無いだろう」




「じゃあ、メリットは傷付かないだけ?」




「お前は全てにおいて人間を超える存在に成る、身体能力など考えられない程に」




「そうなんだ」




「後、お前の頭の中にはドラゴンの叡知とナビゲーターの力が備わっている、ただ今はお前の脳がもたないから、無意識に遮断している、徐々に使える様に成るだろう」




「どれくらいで使えるの」




「解らん、明日かも知れないし10年後かも知れない」




「ちなみに俺って、普通に子供は作れるの?」




「繁殖能力が有れば作れるだろ」




「良かった」




「しかし、子孫にもお前の力が受け継がれるぞ、段々血が薄くなるにつれて能力は下がるがな」




「そっか、デメリットは?」




「やっかいなのは、お前が竜核に取り込まれた時だ、取り込まれたらたぶん自我を失う」




「自我を失うとどうなる?」




「解らん、狂暴化するのか、ただ植物状態に成るのか、なにが起きるかは解らない」




「どうすれば取り込まれない?」




「常に自分の意思で動け、本能に惑わされるな」




「解った、そうする」




「後一つ、お前の寿命だが、永く成るだろう、何歳まで生きるかは解らないが長寿に成るだろう」




「そうなんだ、ところでクレアは何歳なの?」




「覚えて無い、星が産まれた時に一緒に産まれた、世界は私とダリアラファンの2頭のドラゴンから始まった」




「クレアは神様に会った事有るの?」




「無い、神かは解らんが世界の意思は感じた事が有る、私らが産まれた事や様々な生物が産まれる原因はその意思による者と感じる、それと産まれた時から名前の記憶が有った」




俺には、神が居ても居なくても、家族や仲間と生き抜く事には変わらないな。




それから、俺は徐々に体を動かしクレアから色々学んだ、しかし俺の周りの女性達はなんでこうもスパルタなんだ。




訓練で死にそうに成り竜気で心を殺され、逃げようとするとクレアに即効で捕まる。




でも、そんな地獄も1週間が過ぎると、竜気も痛く無くなり、訓練もこなせる様に成ってきた、竜気も送らなくても自然と体の中を廻っているらしい。




俺が倒したドラゴンの素材もクレアの指導で、防具や魔石を使った武器が作られ、新撰組の刀も強力な遠隔攻撃ができる様に成った。




再来週出発するブルネイにもクレアを誘ったが、クレアは一旦ダンジョンに帰ると断られた。




ダリアがアメリカに居るドラゴンを連れ帰っているのを確認したいので、また来るが一旦帰るらしい。






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