第85話新婚旅行?②


翌朝、俺たちは鎌倉に向かう前に軽く打ち合わせをした。




最悪のことを考え、ゼウスは隠れてもらい、聖剣はアイテムボックスにしまう。代わりに斬魔刀を帯刀して、武器を取り上げられることを前提で海沿いのバリケードに向かう。




バスでバリケードの門を作っているところから離れた場所にグリフォンたちに降りてもらい、俺だけ門に歩いて近付いた。




「止まれ、なにか用か?」




「大曽根雅也です、大臣から連絡が行ってませんか?」




「聞いている。安全のたちに武器は預かるぞ」




「解りました」




俺は合図を送り、彼女たちを呼んだ。




しかし、グリフォンたちが近づくと門に居る人たちが騒ぎ出した。




「おい、そのモンスターたちはなんだ?」




「俺達の仲間ですよ、危害を加えなければ安全です」




「中にモンスターを入れることはできない。それともし襲ってきたら、こちらも反撃させてもらうからな」




結局、グリフォンたちは門の外で待たせ、俺と恋花だけで鎌倉の市長と会うことに。




楓と歩美と美咲は門の中には入るが、グリフォンの側に残ることにした。




俺たちは感じの悪いオヤジの案内で市長に会うことに。




(こいつら、ウチの嫁たちをイヤらしい目で見るんじゃねー)




俺たちは市内なのに警備厳重な市役所にやってきた。市役所の周辺では小銃を持った男たちが俺たちに嫌な視線を向けていた。




俺は小さな声で


「何かおかしい、用心しろ」


「了解」




俺たちが市長室に案内され中に入ると、机で仕事をしている男と小銃を持つ2人の男が居た。




「こんにちは、大曽根雅也です」


「こんにちは、妻の恋花です」




「市長の国松だ。今日は何のためにこちらに?」




(なにをそんなに警戒してる?)




「いえ、たまたま近くに来たら、人工的な光を見たので気になりまして」




「そうですか、鎌倉は何とか市民の協力で細々とやってます」




それから市長と雑談をするが、なにかおかしい。俺もスキルのことや村などは話さず、相手の出方を見ながら話した。




最後に市長から


「大曽根さん、鎌倉は貴方たちを歓迎します。しっかり働いてくださいね」




その言葉と同時に男たちは俺たちに小銃を向け、同時に市長室に男たちがなだれ込んできた。




「何の真似ですか?」




市長はいやらしい顔で笑った。


「中々強そうなモンスターを持って、なおかつ美人を4人も連れてきてくれてありがとう。今頃は3人も捕らえた頃でしょうし、大人しくしてもらおうか」




「貴方がたは何のつもりですか?」




「ここは俺の支配する国なんだよ。お前は大人しく言うことを聞いて入れば殺さないでおいてやる。女は後で可愛がってやるからな。そんな奴より満足させてやるぞ」




男たちはいやらしい笑いを見せた。




「全く情けないな、お前ら馬鹿だろ」




「口の利き方には気をつけろ! 女とグリフォンさえ入ればお前なんて要らないからな、殺すぞ!」




「全く解ってないな。殺せるわけ無いだろ」




「わはは! 殺されないと思うのか? 俺は元々鎌倉の警察所の副署長だったけどな、市長と署長を殺しこの地位に着いたんだ。あんまり俺を舐めるなよ!」




「なんだ、木っ端役人が勘違いして、お山の大将気取りですか」




「減らず口を叩くな、こいつらを拘束しろ」




「忠告するけど止めた方が良いよ」




男たちは俺たちを拘束しようとするが、見えない壁に阻まれ、俺たちに触れることもできない。




「はい、貴方たちを敵に認定しました。降参するなら命だけは助けてあげますが、あまり舐めると生きたままグリフォンの餌にしますよ」




「男は殺せ!」




俺に向けて小銃を撃ってきたが、結界に当たり跳弾で周りの男たちが被弾する。




「ああ、馬鹿ですね雅也さんを怒らせて」




俺はアイテムボックスから武器を取り出して、恋花と一緒に小銃を切り裂いた。




「こんなことをしてただで済むと思うな! 言うことを聞かないと女たちを殺すぞ!」




「大丈夫ですよ、捕まったのも作戦ですから」




俺はポケットから笛を取り出して吹いた。




遠くからグリフォンの雄叫びが聞こえ、大きな窓からゼウスが飛び込んできた。




逃げ出そうとする男たちを俺は殴り飛ばし、恋花は偽市長の首に刀を突きつける。




俺は男たちを秘かに集めていた秘蔵コレクションの手錠で拘束した。




男たちを外に連れ出すが、職員たちは俺たちの邪魔はしなかった。


外に出ると彼女たちが男たちを縄で拘束していた。




「皆、大丈夫だったか?」




「大丈夫だったけど、こいつらに体触られた」




「お前ら全員死刑な!」




俺は彼女たちに押さえられる。


「そんなことぐらいで殺しちゃダメ」




「じゃあ、手を切り落とすだけで勘弁してやろう」




「いやいや、ダメだから」




そんなやり取りをしていると、おどおどした中年のおじさんが声を掛けてきた。




「あのーすみません」




「うるせぇ! お前も殺すぞ」




「どうどうどう」




「俺は馬じゃねぇ!」




「はいはい、落ち着いて」




「なにか用ですか?」




「はい、市長の仲間たちに女子供を人質に取られておりまして、どうか助けていただきませんか?」




「えっ、どこに居るのですか?」




「おい、ジジイ! 余計なことを言うと、お前の女房子供を殺すぞ!」




俺が叫んだ男を切り殺そうとすると、彼女たちに止められ、代わりにグリフォンが叫んだ男の頭をてしてしと頭を踏んだ。




のたうち回る男にグリフォンが頭を鷲掴み。正に字の如く鷲掴みです。




おじさんに捕まっている場所に行くと小銃で抵抗されたが、グリフォンたちには小銃は豆鉄砲でしかなく、グリフォンに簡単に頭を鷲掴みにされ、上空に持ち上げられた。




それから、俺たちは捕らえた男たちを牢に入れ、おどおどしたおじさんや女性たちから話を聞くことにした。でも俺は怒りが収まらず、大臣に電話を掛けた。




「もしもし、大臣?」




「雅也さん、鎌倉はどうですか?」




「ええ、大歓迎ですよ、男たちに銃で攻撃され、うちの嫁たちの体を触られ。これは大臣の指示ですか?」




「えっ?」




「おい、こら大臣、俺たちに喧嘩を売っているのか?」




「ええー、待って待って何がなんだか解りません」




俺は恋花に電話を取られ、恋花が大臣に内容を話し、大臣は直ぐに鎌倉に来ると言って電話を切った。




俺たちはおじさんたちから話を聞くために市役所の応接室に向かうことに。






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