ダンジョンが出現して世界が変わっても、俺は準備万端で世界を生き抜く

ごま塩風味

第1話プロローグ


俺は大曽根 雅也(オオソネ マサヤ)


29歳、独身のアラサー


さっき会社を辞めてきた。俺が会社を辞めた原因は信じてた親友の裏切りだ。


実は宝くじで10億円当たったんだ、でも俺は両親はもう居ないから親友だけに話したんだ。


俺はこの金を使わずに結婚するか老後に使うつもりでいた。


しかし、この親友が会社で話してしまい、いろいろなところから寄付の電話が来たり、会社まで来られて仕事どころでは無くなり、家にもかえれず人間不信になり仕事も辞めた。


それから俺はホテルをてんてんとし、新しい住みかを探した、できれば周りに人が住んでなくて、買い物は車で30分以内で行けるところを探した。


でも、なかなか無くていっそ海外にでも行こうかと思ったが、俺は日本語しか話せないので諦めた。


そんなある日、不動産屋である物件を見つけた。




その物件は予算より大分高いが、潰れた温泉旅館で東京と埼玉の境にある山の中。




しかも、土地が約2万坪、旅館と母屋と食堂とガソリンスタンド付き、いろいろ手を出して潰れたらしい、見に行くと旅館はまだ綺麗だが、母屋は夜逃げ後のように荒れていた。


でも、母屋は古民家でリフォームすればかっこ良くなりそうだし、食堂とガソリンスタンドも営業はできなくても何かに使えそうと思い、何か秘密基地みたいで気に入った。


俺はそこを買うことにしリフォームも頼んだ。




リフォーム屋の紹介で売電でお金が入るし今なら補助金が出る、と言うので屋根全部に太陽光発電を付けた。高かったけど毎月かなりのお金が入ってきたから正解だった。




しかし古民家は良いな。囲炉裏はあるし、風呂は天然掛け流し温泉だし、これぞスローライフ。


ただ土地は広いけどほとんどが森で山だ。




ちょっと2万坪に騙されたな、あと入り口とガソリンスタンドがバリケードになっていて、人が住んでるようには見えない、宅急便頼むと必ず電話が来る、ただバリケード外すとイタズラされそうで、躊躇しちゃう。




そんなこんなでやっと落ち着き、生活にも慣れ何かしようかと考えていた、でも旅館をやる才覚は無いし食堂も碌に料理できない、ガソリンスタンドは資格すら無い。




そう、俺は暇だった。


あれほど仕事してた時は暇が欲しかったのに。


仕方なく山でも探検しようと思い、山を歩いたが道も無い山は素人にはキツかった。




ただキノコを見付けて嬉しくなり、キノコ図鑑まで買って調べるも、食べられないキノコばかり。




俺はそれが悔しくて、熊や猪対策に鉈に熊避けスプレーを持ち、靴はトレッキングブーツを履き、山の奥まで入ることにした。


森は人の手が入っていないからか、かなり鬱蒼としていたが椎茸一つ見つからなかった。


それでも山を歩いていると昔の防空壕みたいな洞窟?を見つけ、俺の冒険心を掻き立てる。


ライトはスマホしか無く、それでも中に入ると大人2人が並んで歩ける広さしか無く、奥は深そうな感じがした。


スマホの電池が無くなるので帰ろうとした時に、奥からソフトボールぐらいのボール?が弾んでこっちに向かってくる。俺は誰かが投げたと思い




「誰かいるなら出てこい」と叫んだ。




しかし、ボールは一定の速度で向かってくる。あと2mのところで急に凄い速度で俺に向かってきた。俺は動けず胸に当たり尻餅をつくと凄く痛い。




俺は何が起きたのか解らず、ボールを見ていると半透明で薄汚れた水色の物体で気味が悪い。


俺は左手にスマホを持ちかえ、右手に鉈を構え、するとまたボールは俺に向かってきた。


鉈で振り払うも当たらず、またボールが胸に当たる、俺は息ぐるしくも必死に鉈を振るった。


何度か攻撃?をくらったものの、たまたまボールに鉈が当たると、ボールは水風船が割れるように弾けた、その瞬間。




《レベルが上がりました》


と声がした。




「だ誰だ、出てこい」と叫ぶも誰も居ない。




俺は一人で居ておかしくなったのかと思うも、何か昔やったゲームみたいで楽しくなってきた。




弾けたボールを見てみると大半は地面に染み込んでいるがビー玉みたいな物が落ちている。拾ってみると本当にビー玉のようだった。奥からまたボールが向かってきたので俺はビー玉をポケットに入れ逃げた。




俺は驚いて逃げたのに楽しくなり、装備を整えてからもう一度行くことにした。




今、大型ホームセンターに来ている。




まずは盾を作ろう。材料は硬い木の板で作る。武器はどうするか。俺は高校大学でアーチェリーをしていたが、当てる自信は無い。ホームセンターじゃ剣とか槍は無いしとりあえず武器は鉈しか無いか、あとライトも必要だな。ヘッドライトの強力なのを購入した。




翌日、盾しか防具が無いことに気が付いたが好奇心に負け向かうことに。




洞窟に着くと準備をして中に入ることにすると、またボールが向かってきた。


今日はしっかりライトがあるのでよく見ると、あれってスライムに似てるけど、目も口も無いし可愛くない。




スライムが俺に向かってくるので、盾で防ぎ鉈で斬りつけると一撃で倒した。


でも倒しても声はしなかった、やっぱり声が聞こえたのは気のせいか。




また、奥に進むとスライムが居た、これも余裕で倒すと。




《レベルが上がりました》




今回ははっきり聞こえた、なんだこれ、誰かに言いたいけど、今の俺はボッチだったし楽しいから良いや。


さらに進むとスライムがまた居た。


どんどん倒していくと階段があった。


これまで分かれ道すら無かったのに、まさかこれってダンジョン? 下に下がると敵が強くなるのか。今の俺は昨日と今日で4回声を聞いてるから、レベルが4か5だな。




ちょっとだけ見て強そうだったら逃げよう、階段を降りて少し進むと今度はバスケットボール大のスライム発見。




いきなり大きくなりすぎだよ、せめてサッカーボールにしてよ、この時の俺はまだ、スライムを舐めていた。スライムが俺に向かってきたので盾を構えると、凄い衝撃で盾が壊れ、俺は吹っ飛ばされそうになり、何とか鉈を振り回しスライムに当たったがスライムは弾けない。ヤバイ舐めていた。




俺は慌てて逃げた。しかしスライムは追いかけてくる、しかもスライムの方が速い、ヤバイヤバイ。




俺は覚悟を決めスライムと対峙することにした。


よく見て向かってくるスライムを鉈で斬った。


今度は見事スライムが弾けた、しかし向かってきていたので弾けたスライムが俺に掛かった、うわぁー気持ち悪い、俺はゴルフボールぐらいのビー玉を拾い逃げ出した。




さっきも声がしたけどそれどころでは無かった。


階段を上がり出口に向かうもまた小さいスライムがまた居た。




盾がもう無いし、ヤバイけど帰らなきゃと思っていたら、ちびスライムの動きが遅い感じがした。


ちびスライムに攻撃を喰らわずに倒し、もしかしてレベルアップのお加減か、何とか無事に家に着くとどっと疲れて、その場で座り込んだ。


俺は風呂に入りながら考え、本格的に装備を整えるまでは行かない、俺はネットをあさり装備を探した。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る