第116話続、村での色々
アメリカとの会談することが決まっても、アメリカから何時にするか連絡が無い。
明日には日本政府から、俺を守るために総理補佐官が来てくれるんだが、総理と話したら、守るより俺を押さえるために寄越した様に見える。
(別にアメリカまで行って、戦争なんかしないのに、頭にきたら原潜をデナリ山の山頂に飾るぐらいはするけど)
翌日、山岡さんと言う補佐官と官僚の皆さんがやって来た。
山岡さんは何度か会ったことが有ったので安心だ、総理も気を使ってくれたようだ。
山岡さんの報告で、アメリカから返事が何故無いか解った。
中国はアメリカから攻撃された報復で、グアムにミサイルを撃ち込んだようだ、迎撃ミサイルでミサイルを撃ち落としたが、何発かのミサイルが市街にも落ち、かなりの死傷者が出ているようだ。
現在、アメリカと中国の武力衝突にまで発展して、グアムに避難していた人が、近隣諸国に難民として押し寄せいる。
アメリカも無政府だからと言ったって、軍部の生き残りがいるのに、馬鹿な真似をしたもんだ。
それと攻撃された中国のダンジョンからとんでもない物が出てきた。
衛星からの写真を見せて貰うと、真上から写真だと山に足がはえた様に見えるが、違う角度の写真で見ると、まるで岩山を背負った亀だ、しかも体長90m位有るらしく、家のドラゴンコンビより巨大だ。
こんな巨大なモンスターいやもう怪獣がどうして、さほど広くないダンジョンの入口から出て来るのか不思議に思い、家のお婆ちゃん知恵袋クレアさんを呼んで聞いてみることにした。
「痛い痛い、クレアさんなんでつねるの?」
「お前が先程良からぬことを思っていただろ」
「思ってねぇよ」
(まったく婆さんの癖に勘が鋭いんだから)
「痛いよ、なんでまたつねる」
「内容までは解らんが、お前に与えた竜核から、私に対して嫌なイメージが伝わって来るから解るのだ」
「‥‥‥」
(なにそれ、聞いてないよそんな能力)
「お前になにか有って直ぐに解る」
「なにそれ、俺の心読まれちゃうの」
「安心しろ、心までは読めん、ただ私に対する悪意などは解る、それとお前が傷を受けた時など直ぐに解るぞ、助けに行けるから便利だろ」
「お話し中にすみません、先に写真を見てもらえませんか?」
「山岡さん、すみません、クレアこれ見て」
「どれだ、どれどれこれはエンペラーロックタートルだな」
「クレアより巨大だけど、どうやってダンジョンから出て来たの」
「ボス級の巨大モンスターは、自在に大きさを変えられる、ちなみに私は最大お前たちの単位で体長200mの大きさに成れるぞ」
「そんなことができるんだ、なんでクレアは竜に成っても最大化しないの?」
「そんなもん、でかすぎて不便だろ」
「すみません、また話がそれたので戻して良いですか」
「すみません、大丈夫です」
「それでこのモンスターの弱点はあるのですか」
「弱点らしい弱点は無いな、ただ彼奴は外で生きるのは難しいから、そのうちダンジョンに帰るよ」
「どうゆうことですか?」
「ダンジョンから産み出されたモンスターも、外では食事をしないと生きて行けない、しかしダンジョンの中では、魔素に満ちているから食事をしなくても生きて行ける」
「魔素は地球には無いの?」
「まったく無い訳じゃないが、かなり薄いな」
「それで、この亀はいつダンジョンに戻りますか?」
「それは解らないな、お腹が空いて怒りが治まれば帰るだろう、それが明日なのか1年後かは解らないな」
「そうですか、ありがとうございます」
しかし、アメリカも余計なことするな、ダンジョンを壊そうとしても無理なんだな、ダンジョン入口の一部が壊れたが、数日後には元に戻っていた。
「しかも中国も災難だな、ガ〇ラみたいな怪獣に襲われて、俺はあれに勝てる気がしない。ボス部屋入ってあんなの居たら泣くよ、しかもあれでレベル76だって言うんだから、人間の限界は50までって言うけど、30越えたら攻略できるかもしれないが、死ぬ可能性も高いらしい。
もし攻略するとしても、20台までだな、誰かのために命掛けるのは嫌だもん。
それから、山岡さんを連れて、ダンジョンの1階層の奥に造った鉱山ダンジョンの視察に同行した。
鉱山ダンジョンは今は幅10mの部屋だが、正面左右に渡り5kmの鉱脈が続いている。
正面が鉄などの鉱物、ミスリルやオリハルコンなど地球上に存在しない鉱物も少量採れるらしい、右側は石炭で左側が魔石が採れる。
鉱山から出た残土はアイテムボックスに入れているが、鉱物を取り出すのがこんなに大変とは思わなかった、掘り出しても大型の炉が無いから、ほとんどアイテムボックスに収納中。
いつか売り出して大儲けしてやる。
鉱山で働くのは大変なので、リザードマンのところから、スパイの皆さんにここで働いて貰うことにした。
スパイの皆さんも奴隷じゃ無いので、1日8時間労働でそれ以外は、多少制約は有るが村での自由を与えた。
仲間も増えて43人のスパイさんたちは、すっかり逃げるのを諦め一生懸命働いてくれている。
逃げると家の子たちに追い回されて捕まるから、逃げる気がなくなったし、食事も温泉も入れるし、ましてや酒も飲めて娯楽も有る。
仕事はきついが、元々鍛えられたエリートだから、至って真面目だ、将来的には帰すか、村で普通に生活させても良いと思っている。
石油やガスも採れないか、試してみだが、上手くいかなかった、鉱山は見たこと有るからできたが、ガスは勝手に噴出して危険だし、石油に至っては上手く作れなかった。
作業自体は重機を使って掘るが、まだ慣れないのか手作業も多いみたいだ、リーダーはイギリス諜報部の50代の人にお願いした。
イギリス諜報部だと、イメージするのは、ジェームス・ボンド(?)なんだけど、この人はどう見ても軍人、元々荒事専門らしい、前は中東にいたらしいが、歳で楽な日本勤務に成ったらしい。(映画のジェームス・ボンドは一応中佐で、軍籍あるっぽいですけどね)
最近は食堂の未亡人のおばさんと仲良くなったみたいで、片言の日本語で話してるのを見掛ける。
スパイたちも村に馴染めば、村の人と結婚しても良いと思っている、スパイさんたちは独身も多いので恋愛には制限を付けていない、勿論強制的なことをすれば、容赦しないけどね。
しかし、ドラゴンコンビが来てから村の戦力は一国以上になった、ドラゴンコンビの配下のドラゴンが1000頭以上居るらしいから、アメリカを攻めるなら呼ぶよって言うけど、俺は魔王じゃないから、どこかを攻めるつもりは無いです。
東京奪還作戦の時は、モンスターたちが他に逃げない様に囲むのに良いかもしれないが、ドラゴンたちが都内で暴れると、東京が瓦礫の街になるので、基本戦うのは人間だ、強いモンスターは手伝って貰うけどね。
しかし、政府も今東京奪還作戦に投入する自衛官がいないので、実行できない。
そのうち手伝うけど、奪還できても、ダンジョンは残るから管理も大変だ。
それから2週間後にやっとアメリカから会談の日程の連絡が来た。
流石に忙しいアメリカさんも、俺たちに来いとは言わなかった、俺は待たされてる内に、呼びつけるならドラゴンを大量に連れて訪問しようと思ったのにな、残念。
それより、鬼人族が村に馴染み過ぎてる、重鬼なんか鍛冶班に入って働いているし、速鬼や秀鬼は館長の下で防衛班の仕事をしてる。
女性たちも村の女性たちと仲良くしてるみたいだし、問題無いみたいだ。
皆、俺より真面目に働いている、俺も資材班で働いているが、見回りと称してサボってるし。
平和が一番、妃鬼の子供が産まれて落ち着いたら、俺も義理親たちの念願の子作りを解禁するかな。
まっ、アメリカの出方次第だな。
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