第11話 目覚め②

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……………………………………………


お互いに再会を交わした後、 



「ありがとう…母さん、黒夜ちゃん

身体を支えて貰って…重いよね」


緑「そんな事ないわ…とても軽いわよ」


黒夜「うん…軽すぎるよ。ご飯を

いっぱい食べさせないとね」



私は母さんと黒夜ちゃんの肩を借り、

ベットへと戻った。


そして…


母さんさ達から衝撃な事実を告げられた。



「…え…私…1ヶ月以上も

意識がなかったの……?!」


緑「そうよ!大声で呼びかけても

ちっとも目を覚まさなかったんだから

本当に心配したのよ」


…あの世にいた感覚だと6日間だと

思っていたけど…実際は1ヶ月以上も

眠っていたなんて…


だから、筋力が衰えて、

立つ事ができなかったんだね。


うーん…まずは、

立てるよう歩行練習から始めないと…



「…心配かけてごめんね…母さん…」


緑「もう….無茶だけはしないでね。

お願いよ….」


「うんっわかった。約束する。

あっそうだ…母さん…聞きたい事があるの…」


緑「なあに、言ってごらんなさい。」


「えっと…ね……」

 


私はあの世にいた時から、

気になっていた事を母さんに質問した。


 

・蓬ちゃん、翠狐さん達は無事なのか。

(和菓子作りに協力してくれた人たち)


・雛美火さんはどうなったのか。


・オキニス君は何処にいるのか。



その質問に対して、


黒夜「真澄が眠っている間、牡丹王国の様子を何度か見に行ったから、僕が答えるよ」


代わりに黒夜ちゃんが教えてくれた。



黒夜「まず、真澄と一緒に和菓子を作ってくれた皆んなは無事だよ。檸門君はだけは、一時期意識不明の重体だったけど、1週間前に目を覚ましたよ。」


「……みんな…無事なのね…

誰一人かけていなくて…よかった…


ねぇ黒夜ちゃん…檸門さんが大怪我した理由ってもしかして…」


すると….黒夜ちゃんの表情に怒りが滲み出て、ギリッと歯軋りをした。


……あっ…私…地雷を踏んだ?!

まずい…黒夜ちゃんが激おこだ…



緑「黒夜君…落ち着いて…

真澄が怯えているわ」


黒夜「…!…緑…ごめん…2人とも…

……檸門君を重体にさせたのは…

雛美火だよ。」


「……やっぱり……雛美火さんが……」



……予想はしていた….けど…

彼女…いや彼は優しい一面もあったから

……なんだかショック…だな



黒夜「その雛美火だけど…今はシラトス王国にある監獄の最下層に捉えられているよ。


あの監獄だと、雛美火自身も脱走できないからね。


あと刑も決まってね…彼は王族の地位を剥奪した上で600年間、幽閉されるって」


「……600年も幽閉…期間が長いんだね」


それって…終身刑って意味だよね…

この世界にもあるなんて知らなかった。


600年間…


人間の私ならとっくに寿命をつきている。


きっと…もう…

雛美火さんとは二度と顔を

合わせる事はないだろうな。


残念な気持ちもあったけど、

ほんの少しの安心感があったのは、

心に留めておこう。



黒夜「…人間や妖精、獣人達にとっては、長い時だよね…でも雛美火はそれに対する罪を犯したんだ。しっかり全ての罪を償ってほしいよ。」


「………黒夜ちゃん…そうだね

雛美火さんにはちゃんと罪を償って、

反省してほしいね」


黒夜「……うん…僕も真澄も雛美火によって、

人生を滅茶苦茶にされたから…さてと……

雛美火の話はこれでおしまい!」


パンッと手を叩き、

さっきの怒り顔からうって変わって、

にこっと黒夜ちゃんは笑った。




黒夜「最後は、オキニス王子の事だったね

オキニス王子は…いや……これは直接本人と

話した方が良いね」


えっ…オキニス王子?

母さんに続き黒夜ちゃんまで…

それに直接本人と話す?どういう事?


パッと黒夜ちゃんが扉の方を向くと、

タイミングが良いのか、


バタバタと足音がすると共に…



"バアアン!!"



音ともに勢いよく扉が開いた。



オキニス「黒夜さん!真澄が目を覚ましたって本当ですかっ!」


「……オキニス君…」


王族が着るような衣装。

マントに頭には王冠を乗せている…

いつも見ている衣装とは…全く違う。


…まさか本当に…彼は…



オキニス「!…真澄…目を覚ましたのですね。…~~~っ」



オキニス君は私を瞳に捉えると、

私の方へ一直線に向かい、


オキニス「もうっ…俺の前からいなくならないでっ…」



"グイッ"(真澄の片腕をひく)



そう小さな声で呟くと、両手で抱え込み、強い力で私を抱きしめた。

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