第2話 オキニスside
………………………………………………
…………………………………………
パンド「オキニス君!!
真澄さんの魂を見つけたよ!」
バンッ!!
扉が勢いよく開き、
パンド国王が中に入ってきた。
「本当ですか?!真澄はどこに
いるんですか!!」
パンド「鏡で調べた所、彼女…
あの世の一歩手前にいたよ
でも、良い幽霊さん達が
止めてくれたから大丈夫。
それと……よいしょっと…」
パンド国王は鏡を取り出し、
呪文を唱え出し、
パンド「みんな、鏡を見てごらん」
俺達3人に、鏡を見るように
促した。
鏡を見ると、真澄が映っていた。
緑「真澄っ…良かったわ
無事で……お友達もできたのね
ぐすっ……」
黒夜「…緑…真澄なら大丈夫
絶対、帰ってくるよ…うぅ…」
真澄の姿を見た、緑さんと黒夜さんは、
涙ぐみ笑みを浮かべていた。
「真澄…笑ってる…
良かった…あの世の手前で…」
正直、俺も泣きそうだったが、
これ以上、真澄の両親に醜態を
見せたくなかったので、グッと堪えた。
パンド「よかったよ…本当に
良い幽霊さんが止めなかったら…
真澄さん…あの世へまっしぐら
だったんだから…
この子…運も味方についているよ」
「ありがとうございます
パンド国王…全ての幽霊さん達に
真澄の事を伝えてくれて…
クモード王国の王族として、
感謝いたします。」
言葉と同時に俺は
パンド国王に対し深く頭を下げた。
パンド国王がいなかったら、
きっと、真澄は助からなかった
2度と目を覚さなかったかも
知れない。
最悪の事態にならず、
俺は心から安堵した。
パンド「いやいや、僕は
当たり前の事をしただけだ
あと、あの世の一歩手前とはいえ、
この先何が起きるか
分からないので…
良い幽霊さん達には真澄さんを
安全にこの世に戻すよう、
お願いしたよ」
パンド国王は俺たちに、
パチリとチャーミングにウィンクした。
…いや…これは緑さんに向けて
しているような…気のせいか?
黒夜「ありがとうございます!
パンド国王…その、差し支えなければ
真澄は何日後に目を覚ますのでしょうか」
パンド「そうだね…この調子で行けば
早ければ5日後、遅ければ1週間後に
目を覚ます予定だよ
大丈夫!君の妹はちゃんと目を覚ますよ
安心して!このパンドに任せなさい」
黒夜「……妹?」
「………パッ…パンド国王?
黒夜さんはっ…」
…まさか、パンド国王
噂では聞いた事あるが、
現在、お嫁さんを探していて、
一目惚れ&気になる女性は
迷わず、すぐに猛アタックしていると……
……この中にいる女性は
真澄と緑さん…
真澄の事はちゃんと素性を
説明しているから、大丈夫として…
緑さんは真澄の母親としか、
説明していない。
パンド国王…もしかして、
緑さんに…
案の定、嫌な予感は的中して、
パンド国王は緑さんの手を掴んだ。
黒夜「はっ?!ちょっと!!!」
緑「え?…えっとパンド国王様?」
パンド「貴方の美貌と性格に惚れました!
一目惚れです!!良ければ、
アタックしても良いですか!!」
緑「ひっ…一目惚れ?!あのっ私…」
パンド「子供2人いても気にしません!
亡くなった夫も想っていても
良いのでっ…」
ベリッ!!
パンド国王に握られた緑さんの手は、
黒夜さんによって勢いよく剥がされた。
緑さんをパンド国王に
取られないように肩よせした。
黒夜「申し訳ございません
パンド国王(怒)緑の夫は僕なので、
ここにいます!死んでません!
あと真澄は僕と緑の大切な娘です!!」
黒夜さんは、切れるのを我慢して、
張り付いた笑顔で対応。
別の男性が人の奥さんに触ったら、
…誰だって怒るよな……
パンド「えっ……嘘?!
だって君…妖怪で大人になったばかり
でしょ?!…子供いるの早くない?!
てっきり、訳ありで兄妹だと……
しかも、彼女達は人間でしょ……えっ?
どういう事…?!」
黒夜「……それは………」
黒夜さんは、ちらっと俺の方を見た。
その表情は言いにくそうな感じだったので、
「あ、そうだ!俺、皆んなの
飲み物を取りに、調理場に行ってきます。」
苦し紛れの言い訳をした。
黒夜「あっ…ありがとうございます
オキニス王子」
(オキニス王子…すみません
貴方にもいつかちゃんと話すので…
気を遣わせてくれてありがとうございます)
ギイィ…バタン!!
急いで部屋を出た。
……………………………………………………
……………………………………………………
……………………………………
数十分後…
様子を伺う為、部屋に戻った。
…が、その光景は…
パンド「酷いっ…自分の欲の為に
妊娠していた緑さんを攻撃?!
しかも、母と娘を牡丹王国に
連れていかなかったぁ?!
フザケンナ!!一国の王子がする事か?
ハァー!!許さない!!」
黒夜「おっ…落ち着いて下さい
パンド国王っ…」
緑「パンド国王様、私達は大丈夫ですのでっ…」
怒り狂ったパンド国王を、
必死に宥める真澄の両親の姿だった。
パンド「しかも、今度は大きくなった娘を
好きになったから、牡丹城に留め、
試練も妨害して、彼女の想い人を
殺そうとした……身勝手すぎるよ!!
決めた……」
黒夜「パンド国王…一体決めたとは…」
パンド「…2人とも…もう大丈夫だからね」
パンド国王は、黒夜さんと緑さんに、
ニッコリと笑い、
パンド「オキニス君…」
俺の方に振り向き、
パンド「明後日、王国会議をするから、
至急、リール国王に伝えてもらえるかな
題材は『雛美火・紅の王族剥奪』を
会議するよ」
怒りの表情でそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます