第8話 お迎え(カスタードプリン)②※閲覧注意



前回のあらすじ…

オキニスさんが迎えに来てくれた。



そして…今…



《怖い怖い怖いむりっ無理ー!!!》


必死にオキニスさんに掴みながら

物凄いスピードで、帰路へと進めている。


顔には向かい風が叩き付けられ、

とても痛い…


行きとは別のルートで

崖を飛び越え、


跳力があるのか、

まるで空中浮遊しているみたい。


恐怖でしかない。


だから、3人は最後まで憐れんだ瞳で私を

見ていたんだ。


こうなる事を予測して……


心が折れそうになるけど

めげるな私!あと少しの辛抱よ!


ジェットコースター並みに進む景色を

見ないようにぎゅっと目を閉じた。



それからどれくらい時間がたったんだろう。



急にオキニスさんが立ち止まった。


あれ?何事…家に着いたのかな?


いやそれより…

さっきまでふわふわな毛並みを

触れていたのに


なんか……人の皮膚の感触が……


オキニス「真澄、目を開けて下さい」


……動物の鳴き声じゃなくて、

言葉が……聞こえたような……



そろ~と目を開けると、

目の前には整った綺麗な顔が間近にあり、


私が人間に戻ったオキニスさんを

抱きしめている状況だった。


「っ////!!」


驚きと恥ずかしさで

思わず声が出そうになったが、

なんとか口元を手で押さえ、


「すみません!今すぐ離れます!!」


ばっとオキニスさんから離れた。



オキニス「いえ、気にしないで下さい。

まだ、家には着いていないのですが、

どうしても真澄にこの景色を見せたくて…」


「…けっ景色?……わぁ…」


辺りを見渡すと辺りを一面、

青と水色の花畑が広がっていた。


空には沢山の星と今夜は満月の為、

月の光が花にあたり輝いている。


神秘的な景色に思わず…


「綺麗……クモード王国に

こんな場所があったなんて」


…と言葉を溢した。


オキニス「良かったです…気に入ってくれて…」




「………ひゅっ……」


あまりにもオキニス君が

穏やかな顔で微笑むから

思わず見惚れてしまい、


あの宝石の様な美しい瞳が

私を見ているんだと思うと何故か……


胸の動悸が早くなり、顔が熱くなった。



………何これ?

胸が締め付けられる様に苦しい

昨日の夜からオキニスさんの事…ばかり…


それに人と話す際、

顔を見て話すのは当たり前の事なのに…

なに変な事考えてるの?!



これじゃまるで私が…



カサッ(花畑をかき分ける音)



「……オキニスさん?」


色々あーだこーだと考えているうちに

いつの間にかオキニスさんが

私の目の前にいて、


するっ…


私の頬に手を触れた。



「あっ…あのオキニスさん…」


私の顔に何かついているんですか?と

声をかけようと次の瞬間、



グイッ!!


もう片方の手で

思いっきり私の手首を引き…


「へっ……オッ…んむっ んー!!」


私の口とオキニスさんの口が触れ合った。

いや……これは口付けをされている。


口付けなんて初めてで…


何で?! どうして?!

こう言うのって恋人同士がするもんじゃ…と

訳が分からなくなった。


驚きのあまり、思わずオキニスさんの胸を

バシバシと叩いたがビクともしない。


抵抗した事により、腰と頭に添えた手は、

さらに固定が強くなり、離れる事が、

出来なくなってしまった。


しまいに鼻で息するのが苦しくなり、

酸素を取り込む為、口を開いた所…


「!!…ふぅぅ……」


ぬるりとオキニスさんの舌が入り、

逃げる私の舌を絡め取り、吸ったりと

口内を犯した。



オキニス「……っはぁ……」


やっとオキニスさんの口元が離れ、

私と彼の間に銀の糸が引きプツンと切れた。


オキニス「……真澄……

いきなりですみません

これは…2人だけの秘密ですよ」


そう言って私を抱きしめた。



「………………」


当の私は、何もかも初めてで、突然の事で

キャパオーバーになり……


オキニス「……!真澄?真澄?!」



オキニスさんの腕の中で気絶してしまった。






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